第15話
帰宅する。
「ナンシー、どうだった?」
「うん、グッド」
「そうか・・・」
にやにやしている。
何か企んでるな・・・
ピンポーン
ベルが鳴る。
「はーい」
「すいません。北寿司ですが・・・」
「えっ、頼んでないけど」
「でも、杉山裕哉さんで、間違いないですよね?」
「はい」
まさか・・・
「あっ、ゆうくん、寿司、頼んでおいたよ」
「いつの間に」
「風呂に行く前」
「誰が金出す」
破産させる気が・・・
「大丈夫。私が出すよ」
「えっ」
ナンシーは、金を払った。
ただ、少し渋っていた。
でも、ナンシーの説明に、納得したようだ。
「どうも、ありがとうございました」
出前の人は、帰って行った。
「ナンシー」
「何?」
「お金は、どこから用意した」
「内緒。でも、やましい金じゃないよ」
「そっか・・・」
「さっ、食べよ」
握り寿司が、2人前。
「そういや、何か話してたな。出前の人と」
「うん」
「何を、話してたんだ」
「お札がね。旧紙幣なの・・・」
「そっか・・・」
まあ、法律上は使えるからいいんだが・・・
「新渡戸稲造か・・・」
「ううん。聖徳太子」
「何だって?」
「だから、聖徳太子」
思わず吐き出した。
「いつの時代だよ。見たことないぞ、俺・・・」
「法律上は使えるよ」
そういう問題じゃない。
思わずカレンダーや、スマホを確認した。
間違いなく、現代だ・・・
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