第5話

家に着くまでの間、考えていた。



世界中どこに行ってもある、唯一のもの。

でもそれは、地区によって違う。


広くて低いところにあれば、都会のように高くて、殆どない所もある。

正しくは、見えないのだが・・・


しかし、雲は違う。

四季折々で、いろいろな形を見せる。


子供の頃は、草むらに寝転がり、

「あの雲は、おまんじゅうみたい」

「あっちは、ソフトクリームみたい」と、はしゃぎあった。


子供の想像力は、無限大だ。


今日は、早い時間の帰宅を許された。

明日も、休んでいいとのこと・・・


ある意味では、ホワイトなのかもしれない。

この時間だと、わずかに赤めいてはいるが、まだ雲ははっきりと見える。


「あの雲、女の子の顔みたいだな」

ひとつの雲を見つける。


心なしか、微笑んだ気がした。

「まさかね・・・」


そうして、家につき、やはり変化のない事に気がついたのだが、

あの雲は、脳裏に焼き付いていた。


鞄を置き、ベットに横になる。


「今日はもう、寝よう」

こうして、夢の中へと、誘われていった。


でも、あの雲の女の子、見覚えあるな・・

まあ、よくあることだ・・・


腹は減ったが、睡魔が勝る。


こうして、1日が終わる。

そう、普通の一日は・・・


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