第2話


「東京には空が無い」

昔のえらい人は言っていた。


全くだ。

コンクリートジャングル似囲まれて、空は申し訳ない程度に顔を出している。


「空は眼を閉じてないと見えない。夢は眼を開けてないと見えない」

それは半分正解で、半分外れ。


夢が都会の空なら、その空はとても高く感じる。

なので、生半可な努力では掴み取る事が出来ない。


僕が都会に出たのは、夢を叶えるためではない。

アイドルのイベントに、参加するためでもない。


ミーハーではないので・・・


最近は、アイドルとファンの間に垣根がなく、バスツアーなども、おこなれているが、

有名人とは、関わらない方がいい。

いいにしろ、悪いにしろ、純粋に楽しめなくなる。


それは、置いといて・・・


「そろそろ出かけるか・・・」

僕は身支度をして、家を出た。


まずは銭湯に向かう。

ここで、身を清めてから、出社する。


朝ぶろは貧乏の元というが、それは構わない。


銭湯から出ると、空を見上げる。

「今日も狭いくせに、とても高い」


細く長く生きたい人が多いかもしれない。


僕の会社は、徒歩で行けるところにある。

それが、救いだ・・・


こうして、会社へと向かった・・・




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