マッチングシステムとミスマッチングシステムにより、自分と他人の相性の割合が出会う前に分かってしまう世界。
ある日、主人公はマッチング率0%で、ミスマッチング率100%の女性と出会う。こんな確率の人とは「会うだけ時間の無駄」であるにもかかわらず、主人公は彼女に声をかけてしまう。絶対に出会ってはいけないはずの二人。二人の仲は相性率を無視しているように見えたのだが……。
主人公に突然、見合い話が舞い込む。父親がマッチング率やミスマッチング率を見て、主人公に似合う女性を探してきたのだ。主人公とマッチング率ほぼ100%の女性を。
果たして主人公はどちらを選ぶのか?
人との相性が計量される世界で、君と僕の物語が始まる。
是非、御一読ください。
今は亡き手塚治虫氏の『火の鳥』シリーズに、AIが発達し過ぎて人類がそのしもべに成り果てた世界が出てくる。主人公の上司が、そのAIに『命令』されて自分の恋人と別れる場面があった。
翻って、本作は相性判断を完璧に行うプログラムが実用化されている。しかし、『使用者がわざと天の邪鬼な行動を取る』行為までは想定されていなかったようだ。ちなみにある程度以上高度なAIは自分からそうした行動を取る場合があるらしい。
いずれにせよ、本作については金太郎飴のような世界にはならずに済みそうだ。主人公の味わう葛藤や苦悩もまた恋愛なるものの楽しみの一つであろう。
詳細本作。
いいですね!素晴らしい!
テンポよし、文法よし、なにより人物描写が素晴らしい!
特に
彼女は風になびく長い髪をかき上げながら,冗談めかしてはにかんだ。
という所は、彼女の人格を端的に伝えてます!しかもここで場面転換!とても映像的です!「ええ」と共にズームアップして「私も~」と髪をかきあげる、そんなカメラが浮かびました!巧みな人物描写がストーリーを盛り上げてくれます!
ただ、逆に風景描写に乏しい!今のままでも十分ではありますが、更に高みを目指すなら、カフェの、美術館の、遊歩道の様子を、かっこよく的確に切り取って、一文二文入れるとより情緒が増すと思います!今のままだと読者に丸投げです!
後々の思い出の地巡りも、フラッシュバックでかなりドラマティックになるのではないかな、と思います!
いや、それくらいしか言えないですね!
面白かったです!
相手とのミスマッチング率をテーマとしているのが、恋愛の導入としてとても面白いと思いました。
肝心の恋愛要素については、徐々に知り合っていく2人はやっぱり噛み合わないことだらけで、そのでこぼこだったり衝突だったりが会話を通して上手く表現されているので、すんなり感情移入することができます。アップダウンのある展開がテンポよく進んでいくので読みやすさもありました。
ネタバレになるのでストーリーについてはあまり触れませんが、最後のミスマッチング率を逆手にとっての展開はとても好きで胸が熱くなりました。
みなさんもぜひ本編をご覧になってください。
マッチングアプリ、ミスマッチングアプリがあれば、確かに人は恋を自分でしなくなるかもしれない。アプリに頼って相性の良い人と恋愛すればいいのだから。でも、それは本当の恋愛と言えるんだろうか。
主人公はミスマッチング100%の女性と興味本位で会いますが、好印象を持ちました。
付き合っていくうちに、意見の相違は感じるようになり、それはミスマッチングのせいなのかと思ってしまうこともあるでしょう。でも、一度別れて気付いたのは、好みや意見の相違があってもお互いを愛しく思うことの大切さ。
確かに彼らは今後も喧嘩をするに違いない。でも愛がそれをきっとカバーしてくれる。
凄い、いや凄かった。
そんな感想しか出てこないけど、本当に圧倒されたんだもの。
凄いって言うしかない。
「ミスマッチングアプリ」と言うアプリによって、その人との相性が、「マッチング率」と「ミスマッチング率」が出るようになった、そんな世界。
そんなものがあれば、恋愛は簡単になるだろう、失恋なんてしなくていい。なんて思いながら、最初は読んでいました。
人は好奇心を持つ生き物なので、「ミスマッチング率100%」の異性がいたら、興味を持ってしまうもの。主人公のとった最初のとった行動も、自然な流れでした。
そうして、「ミスマッチング率100%」のお相手、雨宮翔子と出会い、関係を深めて行きます。
物語がテンポよく進むので、スクロールする手は止まらないです。
一万字ある物語なのに、全く苦にならずに、いつの間にか読み終えています。
短編とは思えないほどの満足感がそこにあります。
是非一読して、愛を噛み締めてほしいです。
人間は不思議なもので、自分の価値観や生き方に沿って適応していくものなのに、嫌いなものや嫌われているものが変に気になったりします。この作品の中で語られるマッチング率は、そんなものを回避する力があるでしょう。そんななか、ミスマッチング率100パーセントという奇跡的な相性の悪さをした相手を発見!ある意味ここで興味を持ったのが凄いですね(笑)
人間は当然、異なる趣味や世界観を持っています。二人の間に生じるミスマッチはなぜか、不和よりも互いを尊重している時のほうが印象的に映り、意見し合う方がより人間らしいと思えました。
物語の中でリアルと創作が高いレベルで表現されていました!この作品に出会えて良かったです!
ぜひとも多くの方に知って欲しいですね!