第13話 高揚感

階段を上っていると、壁のいたるところに部活の勧誘のチラシが貼られていた。 愛理はそのチラシを見ながら階段を上っていくと、気がついたら四階に到着していた。


「この学校やっぱり最高! 毎日が楽しくなりそう!」


愛理は目を輝かせていると、自分のクラスである一年一組に着いた。 教室の外に立つと、教室内から楽しそうな話し声が聞こえてきていた。 愛理は期待で胸を一杯にしながら、教室のドアを開けた。 すると愛理を見たクラスメイト達は、新たな仲間だと愛理を歓迎した。


「初めまして、黒羽愛理です!」


そう言って頭を下げると、クラスメイト達はよろしくねと返してくれた。 愛理は良いクラスメイト達で最高だと思いながら、黒板に表示されている自分の名前の席に座った。


「窓側の一番後ろの席って最高だわ!」


愛理は晴天の空を自席から見ながら最高だと笑顔でいた。 すると、愛理の隣の席に座っている女生徒が試験で会ったよねと話しかけてきた。


「あ、もしかして実技試験の時に話した斑鳩葵さん!」


斑鳩葵は愛理と星空学園高等学校の入学試験の際に、実技試験をする順番待ちの時に話が合って、試験終了後に駅まで一緒に帰るほどに仲が良くなっていた。 斑鳩葵は綺麗な黒色の髪色をしており、その髪の毛の長さは肩を少し超える程の長さをしていた。 前髪は少し重みを入れて左に流している感じであった。


少しあどけなさを残しながらも、大人なイメージを与える印象をしている。 スタイルは愛理と同等かそれ以上に良いらしく、着痩せするタイプだと試験の時に言っていた。 そして、葵は身長が愛理とほぼ同じであるので愛理より大人に見える葵がいるととても嬉しかった。


「同じクラスになったし、これからもよろしくね!」


愛理と葵が握手をすると、チャイムが鳴って教室に教師が入ってきた。 その教師は女性であり、愛理はやったと喜んでいた。


「皆さん入学おめでとうございます! これからこの学園にて、魔法を主にしたカリキュラムを行っていきます。 しかし、魔法以外の授業も当然ありますので、そこは怠らないようにしてください」


教卓の前に立つ教師は、自己紹介をする前に注意を促す。 毎年魔法ばかりを勉強してそれ以外の科目を怠って退学に陥る人がいるためだと言っていた。


「さて、注意はそこまでにいて。 私はこの一年間このクラスを担当する、水瀬由良です。 よろしくね!」


水瀬由良と言う担任教師は、そのまま挨拶をすると頭を下げた。 水瀬由良は肩にかかるほどの長さの茶髪をし、左分けの前髪をしていた。 黒いスーツがそのスタイルの良さを前面に押し出しており、そのことは自身で気が付いていないようであった。


身長は百六十五㎝ほどであり、その身長もあって男子生徒から評判が高い。 由良は自身の自己紹介が終わると出席を取りますと言い、あいうえお順で名前を呼んでいく。 愛理の番になると、すぐに立ち上がって黒羽愛理ですと言った。 クラス中の視線が愛理に注がれているので、少し緊張をしているものの、名前や出身中学校を言えた。


そして愛理の番が終わると、何事もなく自己紹介の時間が終わった。 それが終わると、由良がそろそろ入学式の時間だから第一体育館に行きましょうと言う。 第一体育館は正門から見て左側に広がる敷地内の奥にある。 由良に続いて歩いて行く生徒達は、これから行くであろう多数の施設を遠くから眺めていた。


愛理も葵と共に施設を眺めていると他のクラスの新入生達も現れて、入学式が始まるんだなと愛理は感じていた。 第一体育館に入ると、そこはとても広い内部構造になっており、前方にある舞台にはマイクが設置してあった。 体育館内には多数のパイプ椅子が置かれて、その数の多さが新入生の数なんだと愛理は考えた。


「ここに座るみたいね。 葵ちゃんが隣で良かった!」


愛理は指定されたパイプ椅子に座ると、左隣に葵が座った。 入学式が後五分で始まるので、静かにお待ちくださいと教師の一人がマイクで喋っていると、葵が緊張してきたと愛理に耳打ちしてきた。


「だよね! 私も凄い緊張してきた! 心臓の鼓動が止まらないよぉ」


愛理は自身の胸に手を当てて鼓動が早いことを確認すると、葵が緊張が最高潮だよと笑っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます