第7話 ホットコーヒー

 「はじめまして日下二郎と申します。宜しくお願いします。」


 「はじめまして、日本サービスの社長、新家です。」


 そそくさと、履歴書をカバンから出しました。


 「まあ、落ち着いて。ソファに座ってください。」


 新家社長はコーヒーを入れてくださいました。


 「まず、あがって。」


 コーヒーカップに手を伸ばし、そおっと飲みました。


 「ホットコーヒー飲むとホットするね。」


 こわもての新家社長が言うので、ブッと吹き出しました。


 新家社長は履歴書に目を通して、


 「今日からお願いするね。」と採用を決めてくださいました。


 「今日からですか。」


 新家社長は財布から7千5百円を取り出して、水色の作業着を渡し


 「今日は半日分ね。明日からは日当を出すよ。便所掃除と、庭の掃き掃除、あと、事務所の窓吹きをお願いするよ。6時にあがっていいからね。それからこれが日下君のタイムカード。」


 といって、タイムカードをくれました。


 「ありがとうございます。」 

 

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