インターミッション

 ―― おまけ その1と2――


(登場キャラや世界観に関する設定を紹介します)


 ――


 1 バベル


 本名:バベル=カルダイン

 年齢:25歳

 性別:男性

 身長:182cm

 体重:75kg

 基本能力:体力8 アジリティ9 武器10 防御10

 魔法能力:火炎・冷気10 雷10 変性10 空気9 回復8 時空0


 ※体重、身長は現実世界の単位を使用

 ※10……最高、5……冒険家の平均値 0……不可


 言わずと知れた本作の主人公である。世界最高の剣士であり、同時に世界最高の魔法使い。すなわち、この世界において最強の人間である。


 度胸があって楽観的、そして決めたことはテコでも曲げない。強さへの異常ともいえる執念の持ち主だが、その為に必要なことは何でもこなす努力家でもある。


 意外と社交的だが冒険となると話は別。自分の戦いに誰かが入り込んでくるのを極端に嫌う。戦いにおいて信頼すべきは己の力のみ、というのが彼の信条だ。


 勇者という一種のアイコン的存在であり、多くの市民や冒険家から慕われている。そのため、彼の威光を取り入れようと、貴族などの上流階級が何かにつけて近づいてくるが、それを毛嫌いするということはない。むしろ率先して利用する強かさもある。


 ――


 2 魔法


 剣で切る、盾で防御する、またはバベルのように拳で殴るというのを「科学法則に基づくアクション」と定義すれば、魔法というのは「科学法則に基づかないアクション」と言える。


 たとえば「火炎で燃やす」というのは、「対象の温度を急激に上昇させて発火する」ということであるが、それを術者の「イメージ」のみで実現するのが、魔法である。


 逆に「冷気で凍らす」というのは、「対象の温度を急激に下げる」ということであり、すなわち火炎と冷気の魔法は「温度=熱操作」を行う表裏一体の魔法である。この世界ではいずれも《熱魔法》として定義するが、この物語では分かりやすく《火炎》《冷気》と表記する。


 熱以外にも、さまざまな事象をイメージのみで制御できる。たとえば、電気的なエネルギーを制御する《雷撃》。物体を硬く、または柔らかくする《変性》などがある。とりわけ、時間や空間を扱う《時空》は少数の魔法使いのみが扱える希少な魔法である。時空魔法のエキスパートともなると時間を意のままに操られると言うが、はたして……


 さて、魔法を扱うためには、2つの欠かせない要素がある。


 一つは術者の《素養》であり、すなわち、持って生まれた「才能」である。


 例えば、世界最高の魔法使いであるバベルには時空魔法の素養がないため、これを扱うことができない。では、すべての素養を兼ね備える人がいるかというと、ほとんど、いや、まったくいないのが現状である。まあ、素養が何一つない人間というのもほとんど存在しないのだが。


 さて、素養を多く兼ね備えた者が優秀な魔法使いかと言えば、そうではない。先の欠かせない要素として、もう一つ、《イメージする力》が必要だからだ。


 例えば、火炎魔法では「対象が火炎に包まれて苦しむ」という未来を完璧にイメージしなくてはならない。簡単に書いているが、これは「思い浮かべる」という単純なことではない。何というか、概念的というか。まあ言葉に表しにくいので割愛するが、そういう力が必要なのである。


 扱う魔法が強大であればあるほど、この力が重要な要素となってくる。例えば、小さな火炎であれば「対象一つの、それも限られた部位」をイメージすればいいが、それが巨大な火球ともなれば「その周囲を含めての広大な範囲」に膨れ上がってしまうからだ。


 これは、生まれ持った才能というよりも、経験や学習によって徐々に身についていくものである。そして、この力に関してはバベルの右に出るものはいない。すなわち、世界最高たる理由である。彼にかかれば、対象はおろかその周囲の木々や地面まで、瞬時にそして正確にイメージできるのだ。


 さて、駆け出し冒険家のノーラはどうかというと…… 残念ながら、この力の練度が全く足りていない。対象を燃やそうとしたら誤って自分の手が燃えそうになる、ということも。まあ、修練あるのみだ。がんばれ。

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勇者バベルの縛りプレイ! <武器無し、防具無し、魔法不可> 石屋タマ @ishiyatama

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