2日目

 8月2日、僕は彼女に頼まれ新作のドリンクを買いに行くところであった。なんでも期間限定らしく、すぐにでも売り切れてしまうらしい。店の前にたどり着くと、開店前なのにも関わらず、店には長蛇の列ができていた。覚悟を決めて並ぶしかない。


 数時間後。なんとか目当てのドリンクを買うことに成功する。あいかわらずここの店の商品名は、魔法や呪文を唱えてるようでおかしくなりそうだ。さっさと帰ってエリとのんびりテレビでも見よう。


「お帰り。あ!新作の飲み物買えたんだー!」


 エリに飲み物を手渡す。僕は普通のカフェオレを頼んだのだが、彼女のはなんて頼んだっけ。頼んでる最中でも2回は噛んだぞ。


「楽しみにしてたんだよね!このクランチーアーモンドダークチョコレートクリームフラペチーノ」

 

 なんでそんなにすらすら言えるのかがわからない。女性とはみんなこうなのであろうか?


「うーん!やっぱりこの甘さが最高だよねここのお店は!ほらきみも飲んでみなよ」


 そう言ってエリは飲み物を差し出してくる。お言葉に甘えて一口いただく。

 瞬間口の中にとてつもない甘い味が流れ込んできた。思わず口を押えてしまう。なんだこれ甘すぎて胸やけしそうだ。女の子ってこんなに甘いものを食べたり、飲んだりするのか…?


「ははは!ごめんごめん。まさかきみがそこまでいいリアクションするとは思わなかったよ!」


 エリはお腹を抱え、ケラケラと笑う。つられてこちらも笑ってしまう。彼女の魅力はこういうところなのだ。

 

 夜、ふと目が覚める。右腕に違和感を感じ目を移すと、エリが腕を羽交い絞めにしていた。なんでも昔からぬいぐるみを抱きしめて寝ていた癖からか、なにかを抱いていないと寝られないようになってしまったらしい。左手で彼女の髪に触れる。サラサラしていて綺麗な色をしている。どうして彼女が不治の病にかかってしまったのだろうか。そう思いながら彼女の頭をなでる。

 明日も何事もなく過ごせるといいが…。不安に駆られながらも僕はもう一度目を閉じた。

 

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