ピアノのある終着駅

作者 谷川流慕

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★★★ Excellent!!!

作者さまが得意とされる冴えない中年のオッサンが主人公で、こちらも得意分野である音楽ネタをふんだんに盛り込んだミステリー仕立ての短編。
(※第一話読了時点でのレビューです)

ピアノ調律師である主人公が、とあるピアノとホームレスとの出逢いを経て、自身の身の振り方と改めて向き合う……というのが大筋ですが、物語が進むうちに刑事事件が起こったり、女性との出逢いがあったりと、とにかく飽きさせない展開が続きます。

「これ最後どうなるの!?」というワクワク感が最後まで尽きない作品です。ミステリー好きの方にはハマるかも?

美しいピアノの旋律にいざなわれ、多くの方がこの物語とめぐりあいますように。

★★★ Excellent!!!

本作第一話の主人公「羽越喜一」の職業は、ピアノ調律師だ。

小さな楽器店に勤める彼は、調律師としてよりもピアノの営業販売の仕事を任されることが多い現状に辟易しており、悶々とした日々を過ごしている。

しかし、とある駅に設置されたグランドピアノを調律し、そこから生まれた人間関係を深めていく内に、彼の人生と事件の歯車は徐々に徐々に回り始め――



本作を語る上で重要なのは、この「徐々に徐々に」という部分である。
主人公が営業に失敗するシーンから始まり、物語のキーマンと出会い、事件に巻き込まれていくまでの課程が、本作では驚くほど丁寧に描かれている。

どれだけ導入で読者を引きつけることが出来るかが勝負のweb小説において、この静かさと丁寧さ、そして衝撃的な展開に頼らない文章力は、本当に貴重だと思う。

流行のJ-POPよりも、落ち着いたクラシックが聴きたい。そんな気分の時におすすめの一作です。

★★★ Excellent!!!

緩やかに始まったと思ったイントロでしたが、
気づけば主人公と共に物語のうねりに巻き込まれます。


次々に主人公の周りに現れる登場人物、変化する状況。
ヘンに押し付けられることなく、流れゆく物語を上から俯瞰しているような…

まさに旋律が流れているようなストーリー構成だと思いました。