「ご本人登場…しない怖い話」の企画に車が参戦するなんて驚きしかない

 新しく買い替えた二台目の車にのって赤信号を待っていると、横断歩道を渡っていた小さな女の子が立ち止まって主人公に微笑んだ。それから後部座席に気配を感じ、事故を起こしかけるようになった…というあらすじです。
 奇妙な体験は二台目からなんです。ところが、冒頭で一台目の車を大切にしていたエピソードに力を入れています。「省いてもいいんじゃ……」と思ったのですが、後半の解説シーンで、一台目の車が主人公を守っていたことが明らかになります。冒頭のシーンは必要だったのか!
 事故に巻き込まれそうになりながら無事だったのは初代の車のおかげなのに、お祓いで主人公を守っていた存在を遠ざけようとしていた、という真相が興味深いです。
 怖さは薄めの良い話です。(怖がっちゃダメな話だ)また作中に登場する小さな女の子がいい味をだしています。
 「この辺で見たことの無いブレザーに修学旅行かなんかの中学生――身長的には小学生かと思ったけれど旅行はないよなぁ――じゃないかと思う。」(本文抜粋)
 この一文で実年齢よりかなり幼く見える女の子が大きすぎる学生服を着ている姿を思い浮かべたのですが、解釈に間違いはないでしょうか。とても可愛らしいですね。
 
 どうでもいいことですが「背後からの男性の声に振り返ると男性版巫女装束――名前が分からない――を着た男性が立っていた」の「男性版巫女装束」が気になったので調べてみました。そのような服があったのですね。今まで知りませんでした。