NO.9-19 トワイライトGoodman様 「無色透明な思い出は、決して色褪せない。」

【募集テーマ】

 Thema:「青春」もしくは「爽やか」

 企画募集日:2019.10.1


【作品名】

「無色透明な思い出は、決して色褪せない。」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891137928


【作品概要】


 青春時代を過ごす「境界人マージナルマン」へ贈るメッセージが主体のお話。



【感想】

 まずこの作品では、登場人物たちの名前が伏せられているのですが、何故登場人物たちを「高校生A」としたのでしょうか。理由は分かります。作品紹介に、「この物語の主人公である高校生Aは今のあなた、もしくは若かりし日のあなたかもしれませんし知人A、B、JKAはあなたの友達であったり想い人かもしれません」と書かれていますから、登場人物たちに読者の青春時代を投影して欲しいと思ってのことだろうと思います。

 しかしそうであったとしても、何故この選択をしてしまったのか、企画者には解せません。主人公や他の登場人物たちを「高校生A」と記号化してしまったが故に、逆に感情移入ができないだけでなく、この作品では読む上で引っかかる問題点となってしまっています。に書くために必要だと判断したのかもしれませんが、そもそもこれをに書こうとする意味があったのでしょうか。

 それよりも、きちんとした小説の土台に、登場人物たちに名前を与え、作者様が言いたい「境界人マージナルマン」のことを織り込みながら書いた方が、よほど読者の心を掴む作品となったと企画者は愚考致します。


 更に申し上げますと、に当たる部分が希薄であると感じます。

 最終的に言いたいのは作品の名前の通りのなのでしょうが、そこに作者様の考えを持って行くまでの中身が薄いのです。結論に至るまでの場面は説明だけであり、感情表現や彼の心情がどのように動いたのかと言う過程が省かれてしまっているように思います。それ故に、最後の「境界人」に贈る言葉の意味がよく理解できません。

 とはいえ、言いたいことは何となくは伝わってきます。しかし、企画者の解釈が正しいかどうか分かりませんので、とりあえず考察を以下に記します。


(考察開始)


「高校生A」は無色透明な思い出を持っています。それは色がありません。色がない理由は、彼が「高校生らしいことをしていないから」と言えます。


 しかし、「高校生A」は文化祭の非日常的な状況のお陰か、JKAと話す機会に恵まれます。すると、彼の中で無色透明な思い出を肯定していた自分がいたはずなのに、JKAと話をしたことによって、彼の中で別の感情(色のついた思い出になりうるもの)が生まれます。つまり無色透明な思い出とJKAと話した時に生まれた感情が、「高校生A」の中で混在するのです。

 そのため彼は「境界人」という言葉を用いて、二つの思い出や感情の間にいる自身と同じような状況にいる人たちを肯定する、または励ますための言葉を贈ります。


(考察終了)


 企画者は以上のように解釈した上で申し上げますが、何故「高校生A」と作者様の最終的な考えをあえて別にする必要があったのでしょうか。似通ってはいるものの確かに答えは違いますが、どうして二つの答えを導きだしたのでしょうか。

 それから、「無色透明な思い出は決して色褪せない」といいますが、それを裏返してしまうと、色のついている思い出は色褪せると決めつけてはいないでしょうか。


 全体的に、言い回しがよく分からない点が多々あり、何度も何度も読みなおさなければなりませんでした。もしかしたらそう思ったところは作者様が拘ったところなのかもしれませんが、この状態だと読者は企画者のように「この解釈であっているのだろうか」と首を傾げてしまうでしょう。


 以上。

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