カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

「はぁ、やっと着いた。おっ!パラスメントの第2師団じゃん!」


そう言ってヒャクアシを頭から踏み潰して能天気に近付いてくるのはアブリルである。さっきまで生きるか死ぬかの瀬戸際にいたパラスメント達はポカーンっとした顔は言うまでもない。


「あ、貴女は【魔人狩り】パラスメント第12師団のアブリル・ゴニス殿!」


すぐさま現場の指揮官が慌てた顔をしながらアブリルに挨拶するとアブリルはすぐさま、口に咥えた煙草を地面に落として靴で火を消してから現場の指揮官に近づく。


「そんな堅苦しい挨拶は良いからさ!ミラージュ・ファミリーはもしかしてやっつけちゃった?なんだよ?!せっかくアタシがすっ飛んできたのにさぁ〜……」


アブリルが現場の指揮官に捲し立てながら言うと現場の指揮官は申し訳なさそうな顔をしながらアブリルに言う。


「いえ……アブリル殿。ミラージュ・ファミリーですが……」


「え?!なに?!何処かにいるのかよ?」


「はい、貴女の足元に……」


「足元?え?コイツ?」


現場の指揮官に言われて下を見たアブリルは真顔になりながら地面に伸びているヒャクアシを蹴り上げヒャクアシは地面にゴロゴロと転がって行く。


「「「「えぇーーっ?!!!」」」」


パラスメント達はアブリルの行動に目を飛び出しながら驚くがアブリルは、それを何にも気にせず現場の指揮官に言う。


「ここはアタシがやるからアンタらは下がってな。」


「し、しかし!アブリル殿!貴女1人だけで戦うのは危険です!せめて後方から援護だけでも……」


「チッ!言葉の意味が分かってねぇな。邪魔だから退けって言ってんだよ!近隣住民の避難をやっておきな!」


アブリルは上着のポケットから煙草を取り出して火を着けて煙草を吸いながら言う。するとアブリルに蹴り飛ばされたヒャクアシが起き上がってきて怒りを露わにする。


「おい!この小娘が!よくも私を踏み潰して蹴り飛ばしたな!でも私は優しくて寛大だ!一思いにやらずジワジワと苦しませてやる!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る