カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

「へぇ、さすがサドマーゾ。少しは痛いじゃない?」


「ちっ!」


やはり炎タイプのサドマーゾと水タイプのシャーカだと相性が悪いせいかサドマーゾのトォーズ・ウィプでは普段の威力が半減してしまう。


「今度はウチから行くぜ!水鳥苦無(みずどりくない)。」


シャーカが大刀を振り払うと同時に複数の水鳥を形成した魔力の塊が苦無の如く私に飛び掛かってくる。


「ウェェイ!」


私はトォーズ・ウィップを巧みに操り円を描くように振り回す事で正面から襲ってくるシャーカの水鳥苦無を退ける。


「水分が蒸発して視界が見えないわ……」


「ウチはサドマーゾちゃんの位置はだいたい把握出来るけどねっ!」


「うぇ!」


そう。恐らくシャーカ自身が攻撃を放つ事で私がガードする事で液体の水から蒸発して一種の霧の空間を作って私の視界を遮る。それを狙ってやってきた可能性があるわ……


だけど全く見えない訳じゃない。


「そこよ!」


「おっとっと!少しはやる様じゃん!」


「ウェイ!」


シャーカは霧の中で動き回り私の背後から大刀で斬りつけるつもりらしいけど生憎だけど私もそれなりに武術をやっていたから気配は分かるのよ。


シャーカが私の背後を攻撃してきた時が狙い目。次の瞬間にピンヒール・キックで退けるしかないわ。


「ここか!ピンヒール・キック!」


私が『ピンヒール・キック』と呪文を唱えた瞬間にピンヒールを履いた右足に灼熱に燃える炎が纏う。


「ウェエエエーイイィッ!!!!」


そして私の背後に居たシャーカは正に大刀を振り下ろす瞬間で私のピンヒール・キックの方が速く確実に間に合う。


そして私の蹴りはシャーカの頭を直撃してシャーカは綺麗な弧を描いてから倒れ込む。手応えありよ!


シャーカは倒れ込んだ後にピクリともしない。やったのかしら?


だけど次の瞬間に倒れ込んでいるシャーカ自身が水となり地面が水浸しになってしまう。これはまさか……


「水分身。水の牢屋(みずのろうや)!」


「しまっ……ガハッ。」


さっき私がピンヒール・キックで攻撃したのが水分身のシャーカ。つまりコレは囮だ。

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