カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう
「ねぇ、リリーナちゃん。やっぱり、お父さんと一緒に居れなくて寂しい?」
「え?そ、そんな事ないよ!だってパパは私の為にお仕事凄い頑張ってるし。普通だったら、お仕事の休憩の時くらい息抜きしたいのに私に会いに来てくれるし……」
「リリーナちゃん。それはね、それくらいリリーナちゃんのお父さんが貴女の事が誰よりも大切だと思ってるのよ。お父さんは自分や仕事よりも貴女が大切なの。だから、お父さんはきっと、リリーナちゃんの顔を見たら疲れなんか吹き飛んじゃうから、リリーナちゃんはいつでも素敵な笑顔で居てあげてね。」
「うん!分かった!桃香先生。」
するとリリーナちゃんは何かハッと思い出したようにハニカミながら笑うと私もそれに釣られてつい、にこやかになってしまう。
「あっ!そうだ。リリーナちゃんにコレ上げるね。」
「え?!どれどれ?!」
私は紙袋から紅茶葉が入った蓋付きの缶を取り出すとリリーナちゃんは目を光らせながら、こっちを見てくる。
「あっ!私の好きな紅茶の葉だ!桃香先生ありがとう!でもコレ高かったでしょ?」
「ううん。そんな事ないわよ。時間がある時に飲んでね。」
「うん!」
まぁ、私は紅茶より缶コーヒーのブラックが好きだから正直、紅茶の味とかよく分からないからアレなんだけどね……
って思いながら私はリリーナちゃんの前では終始、営業スマイルで口には出さず思ってしまう。
そこから暫く少し雑談も含めて話をしていたら、いつの間に話は盛り上がってしまい気がつくと、だいぶ話し込んでしまった。
「リリーナちゃん。私そろそろ帰るね。明日からまたリハビリ頑張りましょう。」
「うん!最初は少しビックリしたけど、お休みの日に来てくれてありがとう。また明日もリハビリ頑張るね!」
「じゃあ、また明日ね。バイバイ。」
私は立ち上がり手を振った後に病室を出てから病院の出入り口に向かう。さてと、着替えを持ち帰ったらランチでも食べに行こうかな?
その時まではそんな悠長な事を考えていた私である。
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