カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね
私とジョンソンはお互いに引かない想いを胸に激しくぶつかり合う。私も早くここから抜け出さないと……
「キョリ・ツメ!カマイタチ!」
「うわわわ!だけど避けられる!」
「またか……」
「らんらんるー。」
一方でリクト君は赤い髪のピエロであるボナルドに攻撃を仕掛けるが、柔軟な身体を持つボナルドは身体をグネグネと曲げては避ける。
「さっきからウザいな。」
「うん!よく言われるよ!ボナルドって、こういう状況でも楽しめちゃうからさ。」
「さっきからヘラヘラと勘に触るな。」
「アハハ、君はピエロが施す涙のペイントの意味が分からない?」
「どういう事だ?」
「それはね。表面では笑っているけど心の中では泣いているんだよ?」
「……」
「僕の両親はね。戦争で亡くしているんだよ。僕が物心つく前にね。それで両親の遠い親戚に引き取られたんだけど、あそこでは罵声や暴力の日々だったよ。」
「……」
「『死ね』とか『消えろ』なんて挨拶代わりで毎日ご飯だって地べたに皿を置かれたパンが一欠片に少しの野菜と味気ないスープだけ。まるでペット以下の家畜同然だったよ。」
「そこから、どうしてこんな風にヘラヘラと笑うようになったんだ。」
「それはね。泣いても怒っても里親は怒るばかりで余計に罵声や暴力が酷くなった。だけど笑っていれば里親は呆れて、それ以上に何もしなくなった。だから僕はどんな時も笑うようになったのさ。」
「そうか。同情する気にはならないが理解はしてやる。」
「アハハ。ありがとう。君って優しいね!」
「だけど、お前を倒さないと前に進めない。それだけだ。」
「アハハ、続きやろうか?らんらんるー!」
そして再びリクト君とボナルドは容赦なくぶつかり合う。
一方キャビンはと言うと切っても切っても何事もなかったように繋ぎ合わさるチャックと激しく戦闘中である。
「チャキチャキ、無駄だって言ってるんだよ。」
「はぁ〜。確かに困りましたわ。切っても切ってもまた復活してしまうなんてまるでシツコイ男の様ですわ。」
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