カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

「なんか、この姿で言うと言ってる意味が違ってくるな。」


「し、仕方ないでしょ!私の魔装具ってこう言うのなんだから!それに比べてリクト君のはカッコいいじゃない。」


「ん?そうか?俺のはビタン家の者にしか扱えない魔装具でライオンの精霊セクメトと一体化する事で自分の身体能力を限界まで引き上げる精霊系魔装具でな。本来はもう1つあるんだけど、姉さんが殉職して以来、その魔装具は行方知れずなんだよ。」


「そ、そっか……」


「まぁ、取り敢えずは話は後で先を急ぎましょう!カラカラ。」


一旦、暗い雰囲気になってしまったがキャビンが気を遣ってくれたお陰でなんとか雰囲気を切り替える事が出来たので先に進む事にする。


部屋を出るとやはり地下道なっているみたいで、そこから地下1階に行くには幾つもの枝分かれした曲がり角を行かなければならず、そこから更に階段を上って地下1階に行く。


そこから地下1階にも迷路の様に複雑な曲がり角を行ったり来たりして階段に上がれる事でマヤローモ総合病院の旧病棟へと行けるという事だ。


恐らくこの先には死霊魔導師メルザードが仕掛けたトラップもあるし、ましてやアンデット兵士も沢山居るに違いない。だけどここから抜け出すには先へ進むしかない。


「みんな準備は良い?」


「いつでも大丈夫だ。」


「カラカラ、私も準備はオーケーですよ。」


「じゃあ、行くわよ。」


私は地図を見ながら先頭に立ちそれに着いてくるリクト君とキャビン。トラップに引っ掛からない様に慎重かつ迅速に足を運ぶ。キャビンは後ろを見ながらソイツらが居ないか注意する。


「ちょっと待って。前に2人ソイツらが居るわ。ここは私が仕留めるから。」


「いや、日野先生。ここは俺に任せてくれ。」


「リクト君。ダメよ。もしもの事があったら……」


「大丈夫だよ。俺を信じてくれよ。」


リクト君は真っ直ぐな目で私を見つめてそう言ってくる。年下だけど、こんなカッコいい顔でそんな事言われたらドキッとしちゃうじゃないのよ……


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