カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう
「確かにそれもあるかもしれない。だけど……」
「だけど?」
「その子は彼女が戦場の中で唯一、心を許せる友人だったらしい。その子はどうなったか分からないが、彼女は1人敵陣に乗り込んで戦死して殉職という扱いになったらしい。それから彼は家族を失い密かに裏でミラージュ・ファミリーの残党を1人で殲滅しているらしい。」
「どうして知っているんですか?」
「僕も先の大戦で傷付いた人達を治療しに戦場に行って、そこで彼女と会ったのさ。傷付いた仲間を誰1人として見捨てる事なんてしなくて、誰よりも優しい人だったよ。」
「そうですか。」
「そしてミラージュ・ファミリーの幹部が脱獄してからのある日、僕はたまたま彼がミラージュ・ファミリーと戦っているのを目撃してしまい、僕も危うく命を落とす所で助けてくれた。僕は一目見て彼女の弟だって気付いて、それを知って彼も正体を明かしてくれた。」
つまりライオンの青年にとってミラージュ・ファミリーはお姉さんの仇。だからミラージュ・ファミリーを1人残さず倒すって決めてたんだ。1人で孤独に戦っていた。
「カラカラ。オペが終了した様ですね。」
オペ室の前に光っていた照明が消えてオペが終わった事をキャビンは知らせてくれて私は立ち上がると同時にオペ室から執刀医の先生が出てきてくれ私は居ても立ってもいられず執刀医の先生に近寄る。
「あの、すいません。彼は?」
「はい。少し内臓が傷付いてますが、命に別状はありません。今は麻酔で寝ていますけど、すぐに目を覚ますと思いますが、暫く入院して安静が大事になるでしょう。」
「分かりました。ありがとうございます。」
どうやら彼は重傷だけど命に別状が無いとの事。少し入院して安静にしてなくちゃだけど私がしっかりとお見舞いに行かなくちゃだからね。
「あ、あとコレが彼の魔装具になりますので貴女が預かってて頂けますかな?」
「は、はい。」
執刀医の先生から渡されたライオンの青年が身に付けていた魔装具。厳つい金色ライオンの顔をしたバックルの様だ。確かに彼らしい魔装具。
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