カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう

アレから10日ほど経ってから私はミラージュ・ファミリーの襲撃に遭う事もなく、ただマヤローモ総合病院の外傷科で勤務しながら休みの日には開業の準備をしているルーティンな日々を送っている。


今日はと言うとオフの日。なので今日は少しゆっくり寝ようと思うけど、習慣というのは恐ろしいもので仕事と一緒の時間に起きてしまうというね。


「はぁ、身体が重い……」


寝返りをしながら溜め息混じりでポツリと一言漏らしてしまう。


魔法世界に来てからまだ少ししか経って居ないけど、魔法や精霊といったファンタジーな要素を除けば、私の居た世界と変わらないこの世界。逆に違和感がなさ過ぎて不思議に思えてくる。


「うーん……2度寝でもしよう。」


私は布団の中に潜り込んで、2度寝をしようと瞼を閉じて再び夢の中へと眠り落ち出来そうになったと思った矢先、私の至福のひと時をモノの見事に打ち壊される3秒前であった。


「カラカラッ!桃香様ーっ!朝ご飯の時間ですわよ!!起きないと朝のエネルギーの朝ご飯を片付けてしまいますわよー!!お仕事がお休みだからってダラダラと2度寝なんk……うぐぐぐ。」


「うるさいわね。起きるわよ。全く!!」


休みなのに毎回恒例のフライパンにお玉を叩きつけて騒音の如く私の至福のひと時をモノの見事にブチ壊すキャビンの口を押さえ付けて起きる私。


全く!仕事が今日は休みなんだから少しはいつもより寝かせても良いじゃない。もう!


私は起き上がりベッドから降りて階段を降りてリビングに向かうと今日は白いご飯に焼き魚、味噌汁と浅漬けのお漬物という和風な朝ご飯。うん。日本人らしい朝ご飯ね。


「頂きます。」


「カラカラ。頂きます。」


私は朝刊の新聞を広げながら朝ご飯を食べているとキャビンから話し掛けてくる。


「桃香様。今日はお勤めはお休みみたいですが、何か予定はございます?」


「そうねぇ。今日も少し買い物でも行こうかしら。」


「カラカラ。では私が道案内させて頂きます。」

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