カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
私が『ピンヒール・キック』と呪文を唱えた瞬間にピンヒールを履いた右足から灼熱に燃え盛る炎が纏う。
「絶頂しなさい!ウェエエエーイイィッ!!!!」
「グァァアアッ!!」
私はバインド・ロープでぐるぐる巻きに巻き付けられたスロートに向かってジャンプして飛び上がり落下による重力加速で踵落としを喰らわせるとスロートは跡形も消え去る。
スロートが消え去ると残ったのはミラージュ・ファミリーの紋様の証である逆五芒星に明るい茶色のキャラメル色をしたブレスレットである。
スロートが倒された事でライオンの青年に絡み付いた見えない鎖が解かれると地面に静かに降り立つと私は彼の元へ駆け寄る。
「大丈夫?」
「あぁ。」
ライオンの青年はやはり顔色を1つも変えずに無表情のまんまで、くるりと踵を返してその場から立ち去ろうとする。
「ありがとう。」
「待って。」
私はライオンの青年を呼び止めたけど、もう彼の姿は見えなかった。
そして私はスロートを倒した証であるキャラメル色に逆五芒星が描かれたブレスレットを拾い家路へと向かう。
あのライオンの青年はいったい誰なんだろう?
その正体について知るのは近い内に知るというのはまだ私は知らない。
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