カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

「とても味がしっかりとしていますのでご飯がすすみますね!」


「そうなんですよ!毎日、毎日変わるんですけど、特にサバ味噌定食が自分は1番好きなんですよ!あっ、所で初勤務は如何でした?」


「そうですね。事務的な部分はまだメモ帳を見ながらじゃないとスムーズに行きませんね……」


「あぁ、そうですか。」


「でも、慣れていけば何とかなるかな?って感じですね。でも、本当に私の様なのが、こんな大病院で働かせて頂いても良いのでしょうか?」


「勿論ですよ!むしろ自分からの誘いを受け入れて頂いただけでも大変有難いですよ!」


ワタル先生はつい声を荒げてしまうと周りから『どうしたんだ?』って感じになり、その雰囲気を感じ取ったワタル先生は冷静を取り戻す。


なんか、こう熱血っていうのかしら?まぁ世の中、色んな人がいるからなんとも言えないんだけどさ。


「でも、僕自身は日野先生の治療技術は勉強になると思っています。」


「魔法や精霊術と言ったモノに頼らず自分の手で治療する技術はまさに職人技だと思ってます。」


「職人技ですか……」


「では、僕は少し事務作業があるのでコレで失礼します。午後も無理しない程度に頑張ってくださいね。」


そう言ってワタル先生はお盆を持って立ち上がり、その場から立ち上がり去っていく。確かに私の仕事は言ってしまえば専門職であり一種の職人技になる。


専門職は技術こそが全てで結果としてお金を貰い自分の生活が成り立っている。専門職というのは1人前になるまでは、どんなに早くても最低3年と言われている。


私は師匠の元でなんだかんだで9年くらい居た。だけど自分では、まだ師匠の足元にも及ばないって思っていたけど、ある日の診療中に中々、症状が抜けない患者さんを治療した時に普段とは違うアプローチの仕方をやったら、すぐに良くなって笑顔で帰って行った。


診療が終わった後は師匠から『よく出来たな、日野先生。俺でも悩ませた症状を改善出来るのは、もう立派な1人前だよ。』


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