カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

「それもそうですよ。換金した直後にお金目当てに狙う輩も居るのも居ますので換金所はお客様が第一なので配慮も必要になってきます。」


「まぁ、それなら安心よね。」


「桃香様の場合は特に仮にも女性なので複数で輩に襲ってくる者も居るので念のため気を付けた方が宜しいかと思います。」


「そうね。気をつけるわ。それとキャビン。」


「なんでしょうか?」


「どさくさに紛れて私を【仮にも女性】って言ったわよね?」


「……カラカラ。さて、換金所へとイソギマショウ。カラカラ。」


キャビンは微妙な間からカタコトな言葉で誤魔化したわね。次に言ったら鉄拳制裁決定ね。失礼しちゃうわね。誰が凶暴怪力ゴリラ女よ。誰もそんな事は言ってないと思うけどさ。


暫く街並みを歩いていき、曲がり角を曲がって行くとレンガの建物と建物の間に細い裏の路地へと入って行く。その一本の道を歩いて行くと、行き止まりになり目の前には少し古びた木製のドアがある。


「ここが換金所?」


「カラカラ。そうです。換金所の入り口は街中に複数存在しており、このドアの先にはワープして換金所へと繋がっております。」


「じゃあ、このドアを開ければ良いのね。」


「あっ、桃香様。少し待ってくださいませ。」


「どうしたのよ?」


「この扉は間違って子供や賞金稼ぎやハンターとは無縁の人が入らないように呪文で鍵が掛かっております。物理的に無理にこじ開けられない仕組みになっております。」


「じゃあ、どうすれば良いのよ?」


「カラカラ。私がやりますので。覚えてくださいませ。覚えられたら桃香様でも出来ますので。」


「私、呪文なんて使えないわよ?」


「大丈夫です。やり方さえ覚えれば誰でも出来ますので。私の言う通りにやってください。」


「分かったわ。」


「では桃香様。扉の前に立って、扉を3回ノックしてくださいませ。」


「こうかしら?」


私はキャビンに言われるがままに換金所の古びた木製のドアの前に立ちドアを3回ノックする。


「そうです。次に扉を指で六芒星をなぞるように描いてください。」



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