カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
そう。私がツッコミたくなる新聞の写真のチョイスと言うのは私がサドマーゾに変身して風の魔女であるドレイカとの戦闘の時。それだったらまだ百歩譲って良しとしう。しかし新聞に使われている写真というのは……
バインド・ロープでドレイカを亀甲縛りして太い木の枝に水平に吊り上げて私が怒りのままにトォーズ・ウィップで叩きつけている写真だ。私は新聞記者に問いたい。
これには悪意しか感じられないわ!
何でよ!何で私の人生で初となる新聞の記事一面がSMのボンテージ服を着て蝶の仮面を被った嬢王の姿で相手を亀甲縛りにして水平吊りにした挙句に鞭で叩きつける姿を晒さなきゃいけないのよ!
私は肩をガックっと落としながら頭をうな垂れて落ち込むこの他ない。
「桃香様。って、どうなされましたか?まだ疲れが抜けませんか?」
「あ、うん。大丈夫よ。少しね。少し考え事をしてたら色々と考え過ぎてね。大丈夫よ。」
どうやら、私は後には引けない様子。うん。道徳的にもね。もう黒歴史だよね。仕方ないもんね。今まで何振り構わずに仕事してたら気付いたら三十路だもん。涙が出ちゃう女の子だもんっ!
私は取り敢えずキャビンが温め直してくれた朝ご飯を食べようと思うけど確かに美味しそう。うん。絶対に美味しい匂いはしてくる。だけどね。私はそんな食いしん坊じゃないわよ!
「キャビン。この量は?」
「え?桃香様はだいぶお疲れの様子なので沢山、栄養を取って頂こうと思い私が腕を振るって作りました。」
「いやね。キャビン。いくら何でも朝から食パン10枚、目玉焼き5個、厚切りベーコンを丸々1枚、野菜のサラダ大皿1枚は食べ切れないわよ!」
「え?私なら普通に食べ切りちゃいますよ?更にデザートも食べれますよ?」
「アンタと一緒にしないで朝から胃もたれしちゃうわよ!」
「桃香様。胃もたれなんて年寄りのオバ……何でもありません。」
キャビンは私をオバサン呼ばわりしようとしたので言い切る前に殺意の込めたメンチ切りで黙らせる。
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