カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。
師匠らしい言い方だなって私は思う。自分はしないけど、相手にそれを押し付けるというのは筋違いなんだと思う。不正請求を擁護するつもりではなく。あくまでも自分はしない、したくないという考えやプライドなんだと思う。
その考えやプライドは自分の価値観であり、押し付けるモノではないというもの。それが人としての信念というものらしい。
気になるのは骨折や脱臼の不正請求は出来ないのか?って言うと実の話は難しい。骨折や脱臼を請求する場合は法律上、医師の診断と同意書が必要となってくる。
新患の初診で骨折や脱臼を疑った場合は応急処置として、その場で整復と固定が治療出来る。その後、病院に行きレントゲンなどで医師の診断を受けて、その後も骨折、脱臼を自分の接骨院で診たい場合は同意書を頂く。
その際、気を付けなくちゃイケナイのは脱臼だ。脱臼の整復前と整復後には写真を患者さんの同意を得て撮影しないと、整復後に病院に行っても捻挫の扱いにされてしまう。
骨折についてはレントゲンで撮影した時に骨折線があるのでまだ分かるけどね。
骨折や脱臼。捻挫、肉離れ、打撲では請求出来る金額が違う。骨折や脱臼の方が請求出来る金額が大きいのでそこを気を付けなくてはイケナイ。
まぁ今のご時世だと骨折や脱臼なんて、すぐに病院に行って臨床では中々お目にかかれないから貴重だ。バッキリ折れた骨折や典型的な教科書通りの脱臼なんて専門学校の同期から話を聞くと数年に1回あるかないか。
だいたいが不正請求での保険適用を使い併用しながら自費治療をやっているのが殆ど。
たまに捻挫、肉離れ、打撲が運動をしている人やギックリ腰や首のムチウチと呼ばれるものくらい。
師匠の元で骨接ぎらしい外傷に関わってきたのが私と一緒で昔ながらの接骨院で働いた人。他には整形外科で働く人くらい。
他の働き口としては資格を活かしたデイサービスのリハビリとか老人ホームで機能訓練指導員など。これから先、自分で開業するには何かと苦労はするとは思ってだけど、私の接骨院を開く事を楽しみにしていたから決心して退職したんだけど……
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