カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。
そして毎年10000人以上が施術者が出ているけど、他に言ってしまえばすぐに独立や開業が出来るという事だ。
本来、医者の場合は国家資格を取ってから研修を2年受けなくちゃいけないのに対して、接骨院の術者はそれがない。なので言ってしまえば、国家資格を取った直後に自分で独立、開業が出来てしまうんだ。
今までは暗黙の了解として師匠の修行先で最低は3年勤めてから独立、開業をしてきた人達が殆どだ。しかし今の現状はと言うとだ。
国家資格を取った直後にすぐに独立、開業をして慢性の肩こりや腰痛を不正的に捻挫や肉離れって言う事で請求するというのが現状。
もし、不正請求がバレてしまった場合は3年間の時間を費やして勉強した時間も設備に投資した時間も今まで勝ち取ってきた信用も無くなって全てが無駄になってしまう。
接骨院や整体院と言った治療院は今ではコンビニよりも多いと言われていて、コンビニが店を開いては潰れているのが頻繁に起きているのだから接骨院や整体院と言った治療院はさらに酷い。
だいたいの人が借金を返してたら院を閉めてしまって別の仕事をして生活していくと言うのが現状。
師匠の所は昔からある骨接ぎと言われる所で保険適用は本当に骨折、脱臼、捻挫、肉離れ、打撲を含む外傷のみ。
稀に新患での患者さんで慢性の肩こりや腰痛を診てほしい場合は予約して保険外の治療として取っていた。
本来はそうあるべきなんだけど、そんな簡単な話ではないのだ。そうしないと、お金が無くて生活が成り立たない。
綺麗事ではご飯は食べてはいけない。師匠は不正請求は自分はしないけど他の人を咎めるつもりはないとの事。
自分は骨接ぎとしての誇りがあるから不正請求はしないでケガだけを追い続けてきた結果、生活が成り立って私を始め他のスタッフが生活に困らず、さらに少し遊べるくらいの給料を出せている。
それは自分が出来ているから、他の人に押し付けるモノではない。不正請求はやってはイケナイ。だけど、そうする事でしか生活が成り立たない業界や国がまず変えなくちゃイケナイんじゃないか?って言っていた。
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