カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。
キャビンはどうやら私の居た世界のお金の単位とこの魔法世界においてのお金の単位をどっちも知っているようなので、そこはキャビンに任せる。
「だいたいレート自体は変わりはございませんので、桃香様の居た世界が1円だとしたら、魔法世界においては1マルクになりますね。カラカラ。」
「じゃあ、ざっと2千万マルクね。」
「2千万マルクも?!」
「おい、なんか文句あるか?文句あるなら……」
「桃香っちの言う通りに!!」
クマ吉は予想外の値段に驚いたが、何でも1つ叶えるという事に文句の1つも言わせないぐらいの目付きで私はクマ吉に凄む勢いで睨む。
「悪いけど接骨院を開いたからって、すぐに生活が出来るわけじゃないのよ。何事も初めは利益が出ないの?分かるかしら?」
「はい。ごもっともでございます。」
「あと接骨院を開くための看板や広告のポスターにチラシも経費はそっち持ちでね。」
「うぅ……分かった。でも支払いは【償還払い】になるけど良いかな?魔法世界の法律上そこは変えられないのとお店のを開いた場合は法的機関に開業手続きと確定申告はやってもらいたい。それは良いかな?」
「まぁそこは仕方ないでしょう。他に何かあるなら早めにお願いね。」
「了解。桃香っち。」
先程、クマ吉が言った【償還払い】とは。介護サービスや医療サービスの利用者が、サービス提供事業者に費用をいったん全額支払い、その後自治体などに申請して払い戻しを受けることである。
私の居た世界では、負担割合が69歳までは3割、74歳までは2割、それ以降は収入の有無で決まるが1割。償還払いの場合は全額支払ったのち、自治体に申請して割合を差し引いた金額を払い戻すって仕組みになる。
例えば医療機関で払う金額が1万円だとしたら自治体に申請して戻ってくる金額が3割負担なら7千円っていう計算になる。
だけど私の居た世界での接骨院は違う。接骨院の場合は償還払いではなく【受領委任払い】になる。
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