カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる

キャビンが並び始めてから10分ちょっとしてからキャビンはお盆を持ってスタスタと歩いてくる。お盆にはチョコバナナクレープとアイスコーヒーの無糖。キャビンはタピオカミルクティとホットドッグにソフトクリーム。


ガイコツメイド娘よ。カフェでたらふく食べてたよな?ってかお前の胃袋はブラックホールかよ?まぁ、胃袋なんてないんだろうけどさ。骨だけに……


「お待たせしました。桃香様。」


「ありがとうキャビン。」


私はチョコバナナクレープとアイスコーヒーの無糖を手に取ってチョコバナナクレープをパクリと食べるとうん。美味しいわ。クレープの生地とチョコバナナがマッチしてて程よい甘さ。


「カラカラカラ。やっぱオヤツのホットドッグにソフトクリームは美味しいです〜。タピオカもやっぱミルクティが黄金比率の美味しさです〜」


「アンタ、さっきから食べてばっかじゃないの……」


「カラカラカラ。食べる事が私の幸せなんです。カラカラ。」


食べる事が幸せ。たしかにキャビンの言う通りだと思うし、お婆ちゃんも言ってた。戦争の頃は食べ物が無くてお腹いっぱいご飯が食べる事が何よりも幸せだったって。そう考えればキャビンが美味しそうに食べるのも納得。


「それにしても魔法世界って言っても私居た世界と何ら変わりばえがしないわね。」


「うーん。一見すると確かに桃香様の居た世界とは何ら変わりはないですが、目を凝らしてよく見て見ますと出店のある火の動力源は大昔に居たドラゴンの化石や植物を百万年以上の長期間にわたって厚い土砂の地層に埋没した生物遺骸は、長い年月をかける事によって物質変化が起こり、可燃性の鉱石として化学反応を起こす事によって別名【火の鉱石】も呼ばれています。」


「なるほどね〜。つまりガソリンや石炭と一緒の訳ね。」


「ガソリン?セキタン?何ですか?それ美味しいのですか?」


キャビンは首を傾げて何となーくだけど顔をポカンとしながらガソリンや石炭といった化石燃料の存在を知らないキャビンにはなんかの食べ物しか浮かばないのだろう。


「まぁ、分かりやすく言えば、アレよ。私の世界では火の鉱石に近いものがガソリンや石炭って言うところよ。」


「あっ!そうなんですね!カラカラ。」








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