カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
ポンコツって……私でも、そこまで酷い事は言わないけど。言ってしまえば死霊使いというのは、ある一定の場所と時間帯でその恐ろしさを発揮するが、その場所以外だと充分に力を発揮する事が難しいと言える。
「では、最後に魔獣使いについてですね……なんか疲れてきました。」
「説明するの疲れてるってどういう事よ?覚えようとしてる私が疲れてるんだけど?こんなに覚えようとしてるの学生以来なのよ?」
「カラカラ。桃香様の学生とは遥か昔の話……ソゲフッ!!」
「何か言ったかな?早く説明してちょうだい。次はタマを貰うわよ?」
私は溜まりに溜まった鬱憤を全力の突きでキャビンを打ち抜く。後悔もしてなければ反省もしてない。寧ろ心が晴々としている爽快感で満ち溢れているわ。
「痛ててて……魔獣使いは魔獣や幻獣の扱いに長けている人達でございます。魔獣は種別ごとに固有の能力を持っており、多種多様な魔獣を仲間にして、それを駆使するのが魔獣使いの能力の幅になります。」
「その魔獣使いって普段から魔獣を従えてるわけでしょ。魔獣の数が多いと街中で歩くと人の目が気になって大変でしょ?」
「確かにそうですが魔獣使いは普段は魔獣をこのボールよ中に入れております。」
「え?これって?」
キャビンが半分が赤色、もう半分が白いコンパクトな球状のものをメイド服から取り出して私に見せる。
「魔獣球と言われているもので野生の魔獣を捕まえたり、移動の際に魔獣を収納する道具であります。」
「……そ、それで?」
「魔獣を出したい時は出したい方向へボールを投げますが、魔獣球のボタンを一度押すと手の平サイズに大きくなり、その状態で投げたり、手に持ったままボールを開けて魔獣を出す事も可能です。また魔獣を戻したい時は戻したい魔獣に向けてボールを構えると赤い光線が放たれ、当たると戻るという仕組みです。」
なんだろうなぁ……凄い見た事ある球だよね?恐らく世界一有名なボールだよね?
「そして人呼んでモンスターボーr……」
「それ以上は言っちゃラメぇぇぇええ!!」
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