第10話 超高速【スカル】ーそのスピードに着いてこれるか?ー

ここは地上より遥か上に存在する天界と呼ばれる場所。神と神の使い使徒が暮らす場所であり、かつては全能の神ゼウスに仕え逆らう前まで堕天使べリアルも住んでいた場所でもあった。


そこに全能の神ゼウスが鏡越しから何か映像を見ている。


「何を見ていらっしゃるのですか?ゼウス様。」


後ろから声が聞こえたのでゼウスは後ろを振り向くとヨハネが現れる。


「ヨハネか?」


「はい。」


ヨハネは今、ゼウスが何を見ているのか気になる様子。それをゼウスは察知したのかヨハネに話し掛ける。


「私が今、何を見ているのか、気になるのか?」


「そうですね。」


「別に見ても構わないぞ。ヨハネ。」


「では、遠慮なく見させて頂きます。」


ヨハネはゼウスが見ていた鏡を見始めると、その映像が大翔がファウストに祐司がアパスルに変身して戦っている映像である。


「大翔さんに祐司さん。相変わらず頑張ってべリアルを倒していますね。ゼウス様。」


「まぁ、そのようだな。しかしだヨハネ。」


「何です?ゼウス様。」


「もう暫く見ていろ。面白いのが出てくるぞ。」


「なんでしょうか?」


ヨハネはゼウスの言っている意味が分からずゼウスに言われた通り暫く見ることにする。暫く見ているとヨハネの予想を超える映像がヨハネの目に映る。


「……っ?!」


「やはり驚いたか?ヨハネ。」


「な、何故?!何故エクトが?!それにルデアはあの時……」


「どうやらルデアの魂はベルトに宿ってルデアの魂と今、エクトに変身している大和響也という青年の魂が共鳴したようだな。」


ゼウスは全てを見透かした様にヨハネに説明した。


「まさか、こんな懐かしい姿を見れるとは思いませんでしたよ。ゼウス様。」


「ルデアか……最初の戦士であり、そして……」


「志半ばで悲痛な死を遂げた戦士……」


「そして、ルデアの魂と意志を引き継ぐ者が表れたという訳だ。」


「そのようですね。しかし、あの大和響也という青年。何処かルデアに似ていますね。」


ヨハネは少し懐かしそうにクスリと静かに笑う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る