第9話 拒絶の堕天使−貴様等ノ全テヲ否定スル−

ここでも祐司の底無しの食欲が発揮されたのは言うまでもないだろう。昼飯を食い終わった後は、俺と優菜と祐司と響也の4人で雑貨屋に行く事にする。


雑貨屋にはアクセサリーや毛糸で編んだマフラーに手袋、手作りのぬいぐるみ等々が並べられてある。


「わー!猫のぬいぐるみ可愛い!」


「ヒヨコのキーホルダーも可愛いですね。」


と雑貨屋に付いた途端に優菜と響也は目をキラキラと光らせながら寄っていく。そこで祐司が若干だが顔を引きつらせながら不思議そうに聞く。


「大翔。優菜ちゃんが、あーいう可愛い物が好きなの知ってるけど……何で響也が?」


あぁ、そういや祐司はまだ知らなかったな。一応説明しとくとしよう。そんな風に祐司に響也の事を、ある程度話しておいた。


「へぇ~、なるほどね~。」


俺が祐司に説明した後、納得していたが何か陰のある笑みを浮かべて何か企んでる様子。絶対にロクな事を考えていないな。優菜と響也は猫のぬいぐるみを買うことにしたのでお会計を済ます。


二人共、満足したと言わんばかりの顔をしているので次は何処に行こうかと考えながら歩いていると祐司が立ち止まって言う。


「今度、此処に入らない?」


「「え?」」


祐司が行きたいと言ったのは、お化け屋敷。それに『恐怖の廃病院』とばっちりと書かれて、そこに露骨に嫌な顔をした2名。勿論だが俺ではない。怖い物が苦手な優菜と響也の2名。


響也は知ってると思うけど優菜も響也と負けじと劣らず怖いものが大嫌いで、お化け屋敷を始め、怪談話、ホラー映画を聞いたり、見た時なんか涙目で俺に抱き着いて離れようとしない。


「ゆ、祐司君……ほ、他の所に行かないかな?行きたいよね!」


「そそ、そうですよ~。優菜さんの言うとおりに……ね!優菜さん!」


「そ、そ、そうだよね!響也君っ!」


優菜も響也も、お化け屋敷に入りたくない一心で祐司を説得する。ってか、2人とも額に冷や汗が出てきているぞ。


「んじゃ~……優菜ちゃんは大翔と一緒に入れば?きっと大翔が守ってくれるんじゃない?」

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