第9話 拒絶の堕天使−貴様等ノ全テヲ否定スル−

とある暗闇の部屋。そこにはべリアルの最高幹部である、ウリア、ハモン、ラビエルの三幻魔が座り、その向かい側に立つのが魔族を束ねる長であるヴァルキリー。


「トウトウ、魔族モ1人二ナッテシマッタカ……」


「ハイ。」


ラビエルがヴァルキリーにそう問い掛ける。魔族であるヘイムダル、ハヌマーン、トラロック、ベス。そして、ヴァルキリーを含めた魔族がヴァルキリー1人となってしまった様子。


「ソレニシテモ、ベスヲ刺客二放ッタ時ハ、イレギュラーデシタネ。アノ゙エクドガ現レルトハ……」


「私モ、ソレニ関シテハ、タダ、驚イテオリマスヨ。」


ハモンもヴァルキリーもエクトの出現は想定外と驚くばかりで周りは少しピリつくのが分かる。


「雷牙ノ銀狼エクト。ソイツハ確カ……」


「確カニ我ガ倒シ、殺シタハズ。アノ゙ルデア゙トイウ小娘ヲ我ガ殺シタゾ。」


ウリアがエクトの話をしようとした瞬間にラビエルが口を挟み、エクトについて説明し始める。


「人ガ死ンデ生キ返ル、ナンテ聞イタ事アリマセンヨ、ラビエル。」


「イヤ、人間トイウノハ肉体ト魂ガ存在シテ、例エ肉体ガ滅ボウト魂ハ残ルト言ワレテイル。ソシテ、魂ハ物二宿リ、存在スル。大方エクトノ装着者ハ、ルデアデハナク、別ノ人間ガ変身シテイルト考エラレル。」


ウリアは淡々と説明しハモンの疑問に答えるとハモンは納得した感じで頷く。


「ナルホド。ソレナラ合点ハ着キマスネ。シカシ、我々べリアル二トッテノ障害ガ増エタノハ事実ハ変ワラナイデスネ。」


ハモンは納得したが自分達に、とって邪魔で脅威という名の存在になる可能性が増えたのは否めない。


「ヴァルキリー。魔族ノ長トシテ、マタ我々べリアルノ中デ1番、誇リ高キ戦士トシテ、仮面ノ戦士ファウスト、断罪ノ使徒アパスル、雷牙ノ銀狼エクトヲ始末シロ!」


「ハッ!必ズシモ、仮面ノ戦士ファウスト、断罪ノ使徒アパスル、雷牙ノ銀狼エクトノ首ヲ据エテ戻ッテ参リマス!」


ラビエルからの命令を受けたヴァルキリーは踵を返し、ウリア、ハモン、ラビエルの三幻魔の元から去って行きファウスト、アパスル、エクトを始末に向かう。

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