第4話 精霊の長老 -我ラノ理想-

二人の間に沈黙が走る。


「「フフフ……フゥハハッハアァーー!!」」


同時にお互いに狂った様に笑い出す。


「何ガ可笑シイ!!」


「ふぅ……」


ノームの怒り狂う怒声に溜め息をつき挑発させる。


「仮面ノ戦士。確カニ貴様ノ洞察力ハ認メル。」


「そりゃ~どうもぉ~」


「ダガ、ココマデ儂ヲ怒ラセタ事ヲ後悔シロ!」


「年寄りは穏やかって聞くけど、ありゃただのガキだな。」




「ブチ殺ス!」


「やってみな!」


そして、ノームは何やら杖みたいのを右手に持った。


「何やるか知らないが、すぐに片付けてやる!」


左手の剣を構えてノームに向かって走り出すがノームは少しニヤリと笑う。


「フン、儂ハ精霊族ノ長老ダ。アンナ若イ連中ト違ッテ肉体デ戦ワナイ。食ラエ!焼キツク業火。ブレイズ!」


ノームがそう言った瞬間に杖の先から炎が出てきた。


ノームの攻撃は俺の予想とは全く違うもので、咄嗟の出来事だったので反応が遅れて避けたため、右肩に少し攻撃を喰らった。


「あつぅ!」


「ドウジャ?儂ハ魔法デ戦ウ堕天使デノウ。近距離ヨリ遠距離ノ戦イガ得意デノウ。」


得意気に話すノーム。確かに遠距離の攻撃が得意な相手には自分は近距離に持ち込んで戦うのが定石だ。しかし、ノームには障壁があるため、下手に近距離に持ち込んで攻撃しても障壁で防がれカウンターを喰らう。


さて、どうする?


「サア、考エテイル時間ハナイゾ!」


ノームはそう言い放ち、杖を俺に向けた。


「貫ケ雷。サンダー!」


そう言った瞬間に杖の先に魔力が溜まり始めた。俺はさすがにヤバイと思い、両手の掌を合わせ、地面に掌を着き、壁を出すイメージをする。


雷が俺に当たる前に地面から厚い壁が出てきてノームの攻撃を防いが長い間、戦っているせいか、そろそろ体力と魔力が少なくなってきた。


このまま持久戦に持ち込まれたら確実に俺が負けるのは火を見るより明らかだ。そこで俺は少しダビデと作戦を練る事を考える。


さらに身を隠す様に再び両手の掌を合わせ地面から複数の壁を作り作戦を練る事にした。

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