第4話 精霊の長老 -我ラノ理想-


身体は既にボロボロ……

心も折れそう……


でも助けなくちゃ……

もう誰も失いたくない!


やっとの事で立ち上がった。だが立っているのがやっと……

優菜の所へ歩き出したが、足がフラフラでおぼつかない……


両手を腹部に当てるように構えファウストバックルをまた出現させた。ファウストフォンを開き、CLEARボタンを押し、さらにENTERボタンを押す。


【Standby OK Master】


ダビデの機械音が鳴ると同時に弱々しい音だ。だけど、そんなの俺には関係ない。


「変……身……」


掛け声と同時にファウストフォンをファウストバックルに入れてる。


【Wake Up Change】


ダビデの機械音と同時にファウストに変身。


「懲リナイ奴ダ。」


呆れた様に言われても関係ない……両手の掌を合わせて左の手首の甲を添える。


【Left Arm Blade】


ダビデの機械音と共に左の手首の甲から剣の刃の部分が出てきてべリアルに突き刺そうとする。


「オオォォー!!」


「遅イ……」


しかし、先にパンチを入れられてしまい倒れ込んだ。もう指一本すら動かせない……



「サァ絶望シロ仮面ノ戦士。絶望シタ後二貴様モ、コノ娘ト一緒ニ逝ク。」


ふざけんなよ……早く、早くまた動けよ俺の身体……自分で決めたんだろ!


もう、もう誰も失いたくない!って……

自分の心に……自分の魂に!


「ゆ……ゆな……」


べリアルは優菜に槍を向けた。そして、勢いよく槍が優菜近付いて……


「優菜ー!!……ハァハァハァハァ……」


えっ……?

ここは旅館?俺は目の前で優菜が……まぁ、考えない方がいいか。んじゃ、さっきの夢か?


悪質極まりない夢だな……でも夢にしても生々しい……何なんだ?あの夢は……?


クソ!どれが夢でどれが現実か解らない!混乱する……


まだ、午前の4時前か……普通に陽もさしてない。真っ暗だし二度寝するか?いや寝れそうにないな……


少し寒いな。明け方前っていうのがあるけど寝汗が凄い……そのまま起きてると風邪引きそうだな。俺が風邪引けばオジサンやオバサン、それに優菜にも迷惑掛けるから朝風呂でも入ろうか。

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