第4話 精霊の長老 -我ラノ理想-

「えぇ。この宿は古くから、お泊まりになった若い男女に子宝に恵まれるっていう言い伝えがあります。不妊に悩んでいた夫婦がこの宿に泊まり子供を授かったとの言伝てが今でもあります。」


イヤ、イヤ、イヤ~……おかしいだろ……

えっ何?俺達カップルに見えた?


「へぇ~そうなんですか!凄いね、大翔!」


イヤ明らかにおかしいだろ優菜……ってか、すんなり納得するなよ!何?このデジャブ……何?このラブコメ展開……そんな事させねぇよ!


例え神様、仏様、作者が許しても俺が許さねぇよ!


そう思っている内に女将さんが俺に近づき耳元で呟いた。


「旦那さん。今日は奥さんと何発でもイケる様に精のつく夕食を作りますので……」


「イヤ!おかしいだろ!つーか俺は旦那でもなければ彼氏でもありません。ただの友達です!」


「ちっ!折角こっちが子作り出来る環境を作って後は勝手にヤって子供が出来れば、うちの株が出来るのに……」


「何、とんでもねぇ事を言ってんだよ!」


「今まで、代々そうしてきたんだよ。」


どんだけドス黒い伝統の守りかたなんだよ!


更に女将さんは続けて言った。


「なんなら今日カップルになりましょう。」


「イヤ!何でだよ!」


「まぁ私が簡単に女の子をイチコロに落ちる告白の内容があります。」


何か企んだようなゲスな笑みを見せた女将さん。


明らかに嫌な予感しかしないだけどさ。


「ねぇ、今日は疲れてカチカチに固くなってるからマッサージしてくんない?特に俺の竿の方が……」


「下ネタじゃねぇかよ!!」


「えぇ~普通にいけると思ったのに……」


「んな訳あるかあぁー!」


「んじゃ~次はっと……今日の料理は美味しかったな。しかも今、飲んでる、お茶も上品だ。ほら茶柱も勃ってるよ……」


「゙も゙って何だよ!しかも漢字も違うし!」


「もう、我が儘だね~」


「もっとマシな事を言え!」


「ほら星が綺麗だね。でも君の下半身に着いてる一番星が……」


「言わせねぇよ!」


「全部、下ネタだろうがああぁぁ!!どんだけ卑猥な告白の仕方だろオカシイだろ!全部とあるお笑い芸人のネタだろ!パクってんじゃねぇよ!」

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