第4話 精霊の長老 -我ラノ理想-
「折角なんだし~ひろ君と優菜で温泉旅行に行ってきなさい。」
「えっ!良いの?お母さん?!」
「えぇ。ひろ君と行ってきなさい。」
「ありがとー!お母さん!」
と無邪気に喜ぶ優菜だが、俺はと言うと正直、素直に喜べない。
「えっ、ちょ、ちょっとオバサン俺には店の手伝いが……」
そう言い掛けた所でオバサンはニッコリ笑いながら。
「行ってきなさい。」
今のオバサンは顔は笑ってるけど明らかな俺に対する殺意がある。つーか後ろから般若の怖い顔が……
「わ、わかりました。行ってきます。」
俺はオバサンに説得、いや脅迫により優菜との温泉旅行を行かざる負えなくなった。
最後にオバサンはオジサンに聞く。
「ねぇ、貴方もひろ君と優菜の温泉旅行に行かせても良いわよね?」
「勿論だとも。二人とも若いんだ。若い内に遊んできなさい。」
オジサンも了解したので抵抗するだけ無駄だと思い、渋々だが温泉旅行に行く事に決まる。そして、最後に温泉旅行券には小さぐ子宝に恵まれる宿゙と書いてある事も知らなかった。
それを知ってオバサンが行かせたのも知るよしもなかった。
ってな感じな回想シーンだ。わかってくれたか?
電車で乗ること1時間。最寄りの駅から更に歩いて30分とやっとの思いで着いた温泉宿。宿の外装は結構な歴史を思わさせる古風な感じな旅館だ。
そして、俺は宿の扉を開き居間には女将さんらしき人がお出迎えをしてくれる。
「ようこそ遠路はるばるとお越し頂き有難うございます。予約して頂いた、飯島大翔様に高橋優菜様ですね?」
「「あっ、はい。」」
「どうぞ。こちらへ御上がり下さい。今夜泊まる部屋へと御案内を致します。」
俺と優菜は靴へ脱ぎ結構、若い女将さんに案内された部屋へと向かう。部屋に辿り着き、女将さんが襖を開けるとそれはそれは二人では広すぎる広い部屋だった。
俺は部屋を見渡すとあることに気付く。
「あの~……女将さん。布団が1つしかないんだけど……?」
女将さんはニッコリ笑って言い寄ってくる。
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