第3話 石の堕天使-人間コソ愚カナ存在-

「わ、わ悪い!すぐに出ていく。」


「大翔のエッチいいぃぃー!!」


「イヤイヤイヤ……ちょっと待て!これは不可抗力だ……ぐほっ!」


俺は優菜の見事までの拳が俺の鳩尾に入って俺はうずくまり悶絶……


「早く出ていってえぇー!」


「待て、待て、待て!出ていく!すぐ出ていく!今、出ていく!」


「イヤアァー!」


今度はその辺にある枕やらクッションを投げつけて俺は顔面に直撃。さらに止めと言わんばかりに辞書を投げつけようとしてきた。


「待て!待て!さすがにそれは危ないって!」


「早く出ていって!」


言い切った後に俺は優菜によって辞書の角が俺の頭に直撃した。そのまま倒れ込んだ。


……何も喋らない。ただの屍の様だ。


飯島 大翔。享年21歳。バイクとコーヒーの似合う男でした……



優菜の騒ぎを聞きつけて急いで階段を上ってきたのはオバサンだった。


「どうしたのぉ?優菜。」


「大翔が私の部屋に入ってきて着替えを覗いたの~。」


「ひろ君がそんな事するわけないわよ。だいたいアンタがいつまで経っても下に降りて来ないから、まだ寝てるんだと思って私がひろ君に様子を見に行かせたのよ!」


「えっ……そうだったの?」


優菜はキョトンとした顔をして自分の取った行動を深く後悔した。


「もう、優菜ったら~……ひろ君をこんなになるまでぇ……」


「えっ……」


優菜は下を向き見ると俺は気絶していたみたいだ。多分……イヤ確実に頭に辞書の角を叩きつけたのが原因だろう……



「イヤ!ちょっと大翔!大丈夫?!ちょっと起きてよ!」


「全くこの娘ったら……」


オバサンは深く溜め息をついた。


「大翔~……死んじゃ嫌だよ~……」


優菜は涙を浮かべながら俺を揺さぶり起こした。



「勝手に殺すなよ……」


ムクリと起き上がる俺。


「良かったー!大翔!」


優菜は俺に抱きついた。おまけに下着姿なので直で優菜の感触が……


「まだ頭が痛い……」


「ひろ君。大丈夫?」


「えぇ……なんとか。優菜ったら……」


「うっ……大翔~ごめんね……」


はい出ました。優菜の涙目に上目遣い。もう許すしかないでしょ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る