第66話

あいつがミスコンに参加?


参加者の中にはあいつの名前はなかったとなると飛び入りの参加となる。


なんのために.....。十中百九麗華先輩がらみだろうな。劇の仕返しだと思う。


あいつは何をする?まともにあいつが勝負をするだろうか。劇の衣装を盗むような奴が。


あいつが麗華先輩に勝てる方法となると.....


「おい、裕也どうしたんだ。急に黙って」

「あー。ちょっとな」

「……」


夏樹に喋りかけられ思考がストップする。


「なんかあるんなら相談しろよ」

「……」


諭すように声をかけられ、話すかどうか迷う。夏樹も僕の友達だ。話してもいいんじゃないだろうか。


でもこれは僕たちの問題であって周りのみんなを巻き込むわけにはいかないような気がする。


「なぁ、裕也。前から思っていたんだけどな。お前は一人で抱え込みすぎだ」

「…そうかな」

「そうだ。入学当初に多分何かあったんだろうけど。初日と次の日の雰囲気がかなり違ったし。あと球技大会あととか。その他にも」

「.....」

「聞いてほしくなさそうだったから聞かなかったけどさ。相談くらいはして欲しかった」

「.....」

「期間は短いけどさ。俺は裕也の事友達だと思ってるから。困った時くらい頼ってくれ」

「.....お前やっぱりイケメンすぎるよ」

「ありがとな」


おどけたように笑う夏樹をみて、僕もつられて笑ってしまう。

良い友達を持った。心からそう思う。


「もしかしたら.....麗華先輩がまずいことになるかもしれない」

「…どういう事だ?」


あいつが麗華先輩に勝てるとなると、麗華先輩自体が出場しなければいい。

悔しいし、認めたくないが麗華先輩がいなければ多分あいつが一番だろう。


「走りながらでいいか?」

「おう」


僕は走りながら、要点だけをまとめて夏樹に伝えていく。


ミスコンまであと三十分。体育館に着き、麗華先輩を探す。三十分前だが人は結構いて、探しづらい。


「夏樹は体育館を頼む。僕は裏に行ってくる」

「分かった」


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今回少し短めです。


20万pvありがとうございます!拙い文章ですがこれからもよろしくお願いします。




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