教祖になってみた

伊勢燈雅

第1話  勧誘

 俺は学校からの帰り道、宗教の勧誘を受けた。

 もちろん、断った。だがその宗教団体はしつこく言ってくる。勧誘してきた人は目が座っていて身体は痩せ細り、正気が保てていないような素振りだった。このままでは、「入る」と言うまで勧誘は終わらないと思い駆け出した。だが、なんの躊躇もせず当たり前のように追ってくる。商店街の角を使い上手くそらしたが、もう少し判断が遅ければ捕まっていた。

 どうしたら、あんな風に人を洗脳できるのだろう。俺は興味しかなかった。あの宗教はどんな人が教祖でどんなことをしているのか?もしかしたらそれは俺にもできるのだろうか?それが知れるのなら、もう一度あの勧誘にあってもいいと思った。

 また明日、あの人に会えるかな?

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