第38話

バイクで走る事、3時間。


「泰道くん、着いたよ」

そこは、明らかな水族館だった。


近くには、海がある。


「さくら、ここは?」

「水族館」

「見ればわかるけど、遠いね」

「そう?たった3時間じゃない」

育った環境の差なのか・・・


「電車では、来れないの?」

「来る時気がつかなかった?本数少ないんだよ」

確かになかったな・・・


「バイクの免許は、当然・・・」

「合宿だよ」

「だよね」

「さあ、行こう」


さくらに着いていく。


今更だが、いつもパンツルックだな。

スカートは、見たことが無い。


そういえば、他3人も、パンツルックだ。

スカートだと、動きにくいのか・・・


「泰道くん、細かい考察はいいから・・・」

「へいへい」


せわしない人だ・・・


「を、さくら、新しい彼氏か?」

中年のおじさんが、声をかけてくる。

ここの職員か?


「うん。素敵な人でしょ?」

こら、誤解を招くような事は言わないように・・・


「今度は、逃がすなよ」

「はーい」

だから、違うでしょうが・・・


「兄ちゃん」

職員さんに呼びとめられる。


「何ですか?」

職員さんは、笑顔で指を立てる。

逃がすなよと、言う事か・・・


さくらに連れられて、水族館の中を進んで行く。

他のところは素通りして、ある場所に着いた。


「さくら、ここは?」

「ドリフィンセラピー、着替えてね」

ウエットスーツにか・・・


「ところで、さくら・・・彼氏というのは、以前の相棒じゃないよね?」

不謹慎だが、確かめておきたかった。


「違うよ。リアル彼氏。私の相棒は、君が初めてだよ」


今更ながら、とんでもない所に来たな・・・

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