第36話
ベランダに出た。
「さくらは、イルカは近くにいる」
そう言っていた・・・
ここは、何もないところだが、逆に建物を確認しやすい。
でも、ここからは海は見える。
確かに・・・
だが、水族館らしい、建物もない。
周りに何もないので、近くに感じるが、かなり遠いだろう。
まるで、新幹線は通っているが、列車の泊まらない県みたいな感じだ。
海には囲まれているが、海水浴場ならしきものは、ない。
つまり、砂浜がないのだ。
何もないところだが、逆に建物を確認しやすい。
「あそこは駅だ」
思わず駅を見ると、列車が走る。
ド田舎のくせに、電化はされている。
「泰道くん、出かけるよ」
さくらに声をかけられる。
「どこへ・・・って、それ?」
さくらを見ると、ヘルメットをふたつ持っていた。
「どこへって、イルカ見たいんでしょ?」
イルカの事は訊いたけど、見たいとは・・・
「じゃあ、見に行こうね。イルカを・・・」
ヘルメットをひとつ渡される。
「さくら、もしかして・・・」
「うん。バイクで行くよ」
「免許、持ってるの?」
「もちろん。あっ、原付ではないからね」
ウインクする。
仕方なしに、付いていくと駐車場にバイクが置いてあった。
「さくらの?」
「うん。バイクがないと、不便だし、世界観が広がるよ」
「そう・・・」
さくらに、後ろに座るように指示される。
「しっかりつかまっててね」
「うん」
捕まる。
なんだか、変な気分だ・・・
「さあ、我が相棒よ。イルカの住む場所へ、レッツゴー」
それはいいって・・・
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