第30話 冬の童話祭2014に応募、「小説家になろう」のテンプレの効用

 以前、このエッセイに書いた通り、何とか「モグラ男と、ひかり姫」を完成させて、「冬の童話祭2014」に応募しました。

http://marchen2014.hinaproject.com/pc/



 たぶん、10年ぶりとかに作品を完成させて思ったのですが、自分が書きたい主人公のパターンとか、ストーリー展開があることに気づきました。




 主人公の何かが「欠落している」というのはよくある設定で、モグラ男の場合は、生まれつき瞳孔どうこうがないとか、それで山や地下の洞窟に住むようになって、両親が亡くなってしまっていないとか、そういう設定になっています。


 僕もだいたい、片親だとか両親を何気に幼い頃に殺してしまうのですがw、なんででしょうかねえ。それが物語の典型的パターンなのか、みんな親がウザイとか思ってるんでしょうかね。



 主人公が記憶喪失だったり、亡くなってしまった両親に秘密があるというパターンもあります。


 最近の人気アニメの「キルラキル」では、主人公の纏流子まといりゅうこは、父の死の謎を握る「片太刀バサミの女」を追って、本能字学園に転校してきます。

http://www.kill-la-kill.jp/



 ストーリー展開としては、必然的に、その主人公の欠落を埋めるというものになっていきますが、栗本薫(彼女の死後、彼女の小説講座の直弟子たちが物語を引き継いで執筆してます)の現在、132巻の大河ヒロイックファンタジー「グイン・サーガ」では、主人公の豹頭の戦士グインは記憶喪失でルードの森に現れます。そして、パロ王家の血を引くの「パロ真珠」と呼ばれる双子のリンダとレムスに出会い……というストーリーになります。


グインサーガ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AC



 主人公のグインは記憶をなくしていますが、地上最強の戦士で、必要に応じて不思議な知恵も出てきて、リンダとレムスを守って、冒険がはじまります。「小説家になろう」のテンプレみたいな展開になります。




 富野由悠季監督の初代「機動戦士ガンダム」シリーズとか、日本サンライズの初期のアニメでは、だいたいパターンがあって、やっぱり、両親はろくでもないものに描かれて、途中で死んでしまい(泣)、初代ガンダムの主人公の「アムロ」やZガンダムの「カミーユ」は、敵が自分の街に攻めてきた時に、いつも、たまたま、ガンダムに乗ることになって、辛くも敵のモビルスーツなどを撃退します。


動戦士ガンダム

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0



 「ガンダム」の性能がいいのでしょうが、初心者の15歳ぐらいの子供なのに、いつも、ベテランパイロットの乗るモビルスーツ「ザク」をやっつけてしまいます。その理由づけで、実はアムロは「ニュータイプ」という新人類(一種の超能力者)だったという謎がしだいに明かされていきます。

 

 その後は、最初の活躍が認められて、軍人のクルーが乗る宇宙戦艦の「ホワイトベース」とかに乗ったりして、だいたい3話ぐらいでw、宿命のライバルの「赤い彗星のシャア」(いつも仮面をかぶってる謎の人)とかが出てきて、普通のザクの3倍の速さで動かれたりして(速すぎるだろ!)、苦戦するけど、何とか生き延びて、「なかなかやるな、アムロ君!」というような感じになるのです。


 そうしないと、スポンサーのおもちゃメーカー「バンダイ」のプラモデルが売れないのでという営業的理由もあるのですが、そういう制約のなかで、名作アニメが生まれたりしています。



 「新世紀エヴァンゲリオン」も碇シンジの場合も、まずは「エヴァ」に乗ることになって、敵の「使徒」を辛くも撃退し、ネルフのトップがお父さんの碇ゲンドウだったり、お母さんの碇ユイは亡くなっていて、それが物語後半の謎につながっていきます。


新世紀エヴァンゲリオン

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0



 結局、こんなアニメとか、小説とかを見続けてきた僕たちが「小説家になろう」のテンプレのような展開を考えてしまうというのは、たぶん、もう必然なのかもしれないと思います。


 実は、面白い物語のパターンというのがあって、それがたまたま、「小説家になろう」のテンプレ的な形に結晶していったのかもしれないと思います。


 主人公は強力な敵(普通のザクの三倍の速さで動くんですよ、三倍!)を倒すために、最強の力(ガンダムやエヴァ)を手にいれないとやっていけないし、その力を持つがゆえに、周りからチヤホヤされる(頑張ってくれないとみんな死んじゃうし)という展開になるのは、もう必然というしかない。


 それに、おもちゃメーカーとか、出版社の編集者とか、営業の立場を考えれば、おもちゃや本は売れないといけないわけで、いろいろと注文や制約バリバリの中で作品を制作したりすることになります。


 できれば、著者は若くて柔軟、編集者の色にある程度、染まるような人で、自分を持ってるけど、妙に素直で育てやすく、そういう制約を作品に課しながらも、面白い作品を書いてくれると助かるわけです。



 出版社は本を売って生活してるので、本の作者が頑張ってくれないと困るし、通りやすい出版案件というのは、その時、流行ってる、売れてる小説に似たパターンだと説得しやすい訳です。イメージも湧きやすい。


 全くオリジナルだけど、これは売れる!と編集者が思っても、その編集者がカリスマでヒットを飛ばしていれば別ですが、「その根拠はなんだ!数字を示せ!」とか言われて、いや、作品のブログとかのアクセスも凄いですし、「小説家になろう」のポイントが高く、ランキングも上位で、これぐらいの読者が見込まれますよ、ユニークユーザーこれぐらいなんで、初版3000部は硬いとか。


 コンテストを開いて、とりあえず、数百編の応募の中から面白そうなものをピックアップしていって、有名な人気作家に見てもらって、推薦してもらえれば、必ず売れます!というのが、出版会議ではそんな話になると思います。


 最近、流行りのビジネス書の出張の出版会議というのがあって、出版社の編集者が、会社の社長やコンサルタント(社員など人脈が多いので売上見込める)とかが多いですが、面白い著者を発掘する出版会議セミナーとかがあったりします。



「東京ビジネス書出版会議」(フェイスブック)

https://www.facebook.com/publishing.conferenc


ビジネス書を出したい人と熱き編集者を直接つなぐコミュニティ(主催:株式会社イズ・アソシエイツ、株式会社ココマッチー)次回日程は「イベント」をチェック!



 話は長くなったので、今回はここまでにしておきます。

 次回は、僕が参加してビジネス書出版会議のお話でもしましょうか。


 僕の住んでる岡山県はセミナー文化が栄えていて、ビジネス書出版会議などの編集者が来やすいとかあるのかもしれませんが、東京、大阪、福岡、札幌あたりでは、地方でも、そういう編集者が来てくれるようです。


 出版不況だったりするから、編集者も営業が大変なのかもしれませんね。









(あとがき)




 ライト文芸について色々と考えてみましたが、結局、読んでる本が西尾維新の「悲球伝」「悲終伝」(最終巻)だったりします。


 TUTAYAのライト文芸コーナー表紙も眺めてみましたが、僕が書いてる作品とは異質なので、自分なりの物語を書くしかないかなと思います。


 アルファポリスのライト文芸大賞はライバルが強過ぎて、全く歯が立ちそうにありませんが、女子フィギアスケートの世界大会のように自分なりの演技でベスト尽すしかない感じですね。


 とはいえ、今日の三話で話の方向性を決めないといけないけど、意外な展開が書けたらなあと思ってます。

 


 

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