第6話 再戦《リベンジマッチ》
「ゴォォォアアアアア!!」
直撃すれば、いくら防具を身につけていてもそれごと叩き割られて即死する一撃。しかし、佑吾は──
(──見えた!!)
その剣のスピードを見切り、かつてアフタル村の洞窟で遭遇した
そして、即座に剣による反撃に転じた。
「シィッ!!」
氣術<
(硬い……!)
しかし、
「グガァァァ!!」
斬り付けられた怒りから、
佑吾はそれに即座に反応し、剣を構えて防御した。
「うぐっ⁉︎」
ゴガンという鈍い音ともに、
そしてその衝撃で佑吾の体が浮き、後ろへと吹っ飛ばされる。
「くっ、<
後ろへと吹っ飛ばされた佑吾は何とか着地し、それと同時に左手を前に突き出して、風の魔法を放った。
<
「グギャア!?」
(魔法の方がダメージがでかい。それなら──)
「グゥゥゥ……ブゥゥルァアアアアアアアアアア!!」
痛みで怒り狂った
大剣は凄まじいスピードで振り回され、尋常ではない力で地面に叩きつけられていた。
この猛攻にもし巻き込まれてしまえば、かすっただけでも瀕死の重傷を負い、まともに食らえば間違いなく即死するだろう。
しかし、一発でもまともに食らえば即死してしまう状況で回避し続けるのは、佑吾の精神力をどんどんと削っていった。
(このまま避け続けるのは無理だ! なんとか隙を見つけて、あの技で一気に倒すしかない!)
そこからは、根比べが始まった。
佑吾はもはや攻撃することは考えておらず、
反対に
佑吾が回避に失敗して死ぬのが先か、
先ほどのように、ギリギリで攻撃を回避するような余裕は佑吾にはなく、
しかし、そんな簡単に一筋縄ではいかなかった。
大剣を振り下ろした直後に片手を横なぎに振るう、巨大な足で蹴り上げてくる、そしてまた大剣を振るう、連撃に次ぐ連撃だ。
暴れ回る重機のような攻撃に次第に佑吾は追い詰められ、剣で攻撃を防がなければならない状況が増えてきた。
そんな数分が数時間にも感じられるような危機的状況の中、早く終わってくれという佑吾の祈りが通じたのか、もはや何度目かも分からない大剣を叩きつけた直後、
「ガフッ…………」
「っ! ここだ!」
その隙をずっと耐えて待っていた佑吾は、それを見逃さずに
そして、奴を倒せるとっておきの技の発動に移る。
「<
佑吾は、氣術と魔法の両方を用いて自分自身の肉体を強化していった。それにより、体の奥から並々ならぬ力が湧いてくるのを感じる。
さらに、先ほど放った風の魔法を
すると放たれた風の魔法は、剣を傷つけることなく、まるで剣に馴染むかのように表面にコーティングされ、剣は若葉色の光を帯びた。
剣から風の魔力が溢れる。
「ハアアアアアッ!! <
「グギャアアアアア!?!?!?」
そして
その斬撃は、
「アッ……ガァァァ……」
やがて、短く小さな断末魔と共に、
「良かった……何とか勝てた……」
佑吾が放てる渾身の技、<
<
また、
「早く、他の村人を助けに行かないと……」
それでも佑吾は、震える足に力を入れて立ち上がった。
こうしている間にも、村人は魔物に襲われ、それを助けるためにライルやエルミナたちが頑張っているのだ。
そんな中、自分一人だけ疲れてうずくまっている訳にはいかない。
何とか立ち上がった佑吾は、持っていた剣を鞘にしまい、他の村人を助けるべく、その場を後にした。
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