【マルチエンディングその5】両親が反対するわ!

 だって、あたしは——男だから!


 この学校はLGBTに理解のある学校だったから入学した。身体は男だけど、心が女のあたしを受け入れてくれた。ちゃんとスカートを履かせてくれて、他の女子と同じように扱ってくれた。


「愁斗君、ごめん。愁斗君の家に呼ばれたとき、あたしが焦っていたのは、身体が男だってバレるかもしれないって思ったの」


「そんなことは気にする必要はない。俺は気づいてたよ」


 え……あたしが男だと分かっていても大丈夫なの?



 でも。


「だめだよ! あたしの両親は熱心なキリスト教信者で、同性愛なんか認めてくれるわけない。おじいちゃんも孫の顔が見たいって言ってるから、あたしは愁斗君とは付き合えないよ!」



 これであたしたちの関係は終わった。告白したくなかったけど、言ってしまった。いつか、言わなければいけないことだ。悲しい運命だ。



 愁斗君はおもむろにシャツを脱ぎだした。



 彼の胸にはさらしが巻いてあった。


「え、……それって、まさか愁斗君、女の子?」


「俺もこの学校に入学した理由は、LGBTに理解があるからなんだ。身体は女でも男子の制服を着させてくれた」



「愁斗君が女の子ってことは……あたしたちのしがらみはない? 男と女なら、両親は反対しないし、おじいちゃんに孫も見せられる!」


 

 愁斗君がイケメンすぎると思ったら、元は女だったから、あんなに綺麗な顔をしていたのね。



 ——了

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だって、あたしは…… 坂井令和(れいな) @sanchandx

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