【マルチエンディングその3】三角関係?


 だって、あたしは——呪われてるから!


 物心ついたときから、あたしには悪霊がとりついている。霊感が強い人には見えるらしい。


 残念なことに、愁斗君もきっと霊感が強いのだろう。映画館デートしたとき、あたしの隣の席まで予約していた。きっと、んだ。あたしの隣にから余分に席をとったのだ。


「愁斗君、霊感があるんでしょ! あたし、愁斗君とは付き合えないよ」


「確かに俺には小雨の隣の人物は見えてた」


 やっぱり。


 あたしの恋は終わった——そう思った。


 だが、愁斗君は話を続けた。「小雨の隣にいる子が誰なのか調べてみたんだ。そしたら、小雨には生まれるはずだった双子の妹がいたのがわかった。その妹は、残念ながら死産だった。一緒に生まれるはずだったのに、小雨だけ助かったんだ」


「そんなことが……知らなかった。悪霊の正体が妹だったなんて。でも、納得いく! 妹はあたしだけこの世に生まれて、恨んでるのね! この前、愁斗君が教室で地震があったって言った時おかしいと思ったんだ。あとで調べたけど、地震なんて発生してなかった。あれは、悪霊の妹が怒ってたのね。あたしと愁斗君がイチャイチャしてたのが気にいらなかったのよ!」


「違う! 小雨の妹は良い子だよ。悪霊なんかじゃない。いつも笑顔で笑ってるんだ。妹は俺たちを祝福してくれてるんだよ。教室での揺れは、小雨と一緒になって走ってきたから揺れただけだ」


「良い幽霊!? 本当?」


「ああ、だから俺は映画も3人で見ようと思ったんだ。彼女はいつも優しい顔をしている」


「あたし、ずっと勘違いしてた。ということは、これからはずっと一緒? あたしと妹と愁斗君」


「そうだ、3人で仲良く暮らそう」



「え、三角関係になっちゃうじゃん。これからは妹がライバルだね!」


 ——了。

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