第198話井戸端会議

とある神社の片隅に、猫たちの集まる場所がある

親分猫が言った

「さて、今日の議題はなわばりについてである」

親分猫は子分たちのいさかいを仲裁する役目を負う

「親分、こいつは俺の行きつけの吉田さんの家に割って入ってくるんです」

子分のひとりが親分に不満をぶつける

「親分、吉田さんのお宅は裕福なので、私が入っていっても食事は十分にあります」

別の子分が異議申し立てをする

さてさて、親分困った

親分は眉間にしわを寄せながら考える

するとこの町一番の知恵者である野良猫が出てきて言った

「親分、最近引っ越してきた佐藤さんのお宅の食卓は豪華です。

子分のうち一匹をそちらに回してもよいかと・・・」

親分は大きくうなずくと、子分二匹の猫に言い渡した

「ではこうしよう。吉田さんと佐藤さん。その二つの家にそれぞれ分かれて行くこと。

そして、食事の半分を私に差し出しなさい」

親分はこういうと議題を打ち切った

どうころんでも、いつも得するのは親分なのであった

これが政治というものである

 

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