第138話冬の日の楽しみ

 昨日の夜は鍋をつついた。ユラユラと湯気の立ち上る中、煮込んだ野菜に豚肉を入れて味ぽんで食べる。美味かな、美味かな。

 スーパーで売っている鍋セットは独身者にとっては救世主である。白菜、シイタケ、ネギ、人参など鍋を彩る役者たちが勢ぞろいだ。しかもすべて一口サイズに切ってあるというのは泣きたくなるほどありがたい。

 私は酒を飲まないので、白飯と鍋である。食がすすむ、すすむ。

 食べながら去年とりためたテレビ番組の録画を観た。私は対談番組が好きだ。しかし対談の相手が全くの畑違いの組み合わせは見ていて苦しくなる。お互いに気を使っているのだろうなと思いながら見ると観ているこちらまで落ち着かない。やはり対談は気心のしれた相手であるほうが安心して観られる。

 そうはいっても仕事で話しているので気を使いながら尺を考えての話し合いである。それを第三者が観て楽しいと思わせるのはやはりすごい。テレビで対談をやるほどの人たちは会話の反射神経が半端ない。そしてかまない。

 鍋と対談という組み合わせで、冬の一日の終わりを温かく締めくくったのであった。

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