第83話 神の悪戯

「神様だからって、何でも自分の思い通りになると思うなよ!」

 望は神様ので自己中心的で、こちらの話を聞かない態度に激怒した。

「なんだと? 神はどんな態度でも許されるのだ! 神魔法! ゴット・ビーム!」

 神様は光線を出して望を攻撃してくる。

「神様の中には処刑された神様も多いって知ってますか! 夢魔法! ビヨンド・ザ・ドリーム!」

 望は神の光線を夢の彼方へ飛ばしてしまう。

「なんと!? 神の攻撃になぜ当たらない!? 天罰が怖くないのか!?」

「天罰が怖くて、魔法使いができるかー!!!」

「カッコイイ。」

 神にケンカを売る望の姿にハチコはキュンキュンする。

「神様に聞きたいことがある。」

「なんだ? 人間。」

「神様は俺たち人間を暇つぶしのために戦わせて遊んでいるのか?」

「そうだよ。」

 あっさりと神様は認める。

「ズコー!?」

 望とハチコは思わずズッコケる。

「私のもっと上の神々の悪戯で、人間は生まれた。神の人類創世魔法ゴット・ミスチーフだ。神として絶対的無敵な神は日々の生活に退屈していた。そこで暇つぶしに人間を創造し、小さくて非力な人間が助け合い、または争い生きていく様を見て遊んでいるのだ。」

 新宿神は、この世の成り立ちを説明する。

「そんな!? 人間が神様の暇つぶしのためだけに生み出されたなんて!?」

「私たちの存在っていったい!?」

 望とハチコは人間の誕生の秘密を知って愕然とする。

「どうだ? わかったか? どんなに人間が抗ったところで神に勝てる見込みはないのだ。さっさと諦めるがいい。」

 新宿神が望たちに無駄なあがきを止めるように勧告する。

「ダメだわ。私の記憶なんて戻らないんだわ。」

 ハチコは神の偉大さの前に絶望する。

「諦めるな。」

「え?」

「諦めたらそこで終わりだ。諦めることを選ぶなら、俺は諦めないことを選ぶ。神だろうが魔王だろうが倒せばいいんだろ。」

 望は神の絶大な力を目の前にしても戦うことやめようとはしなかった。

「相手は神様よ!? どうやって倒すのよ!?」

「倒し方は分からない。でも、戦ってみないと勝つか負けるか分からないじゃないか。」

 望の心は神を相手にしても折れることはなかった。

「私も戦う!」

 望の気持ちは絶望していたハチコの心にも戦意を取り戻す。

「なんなんだ!? この人間たちは!? 危険だ! その女の記憶は返してやるから、ここからいなくなれ! 神魔法! ゴット・バイ!」

「うわああああー!?」

「ギャアアアアー!?」

 望たちは天界から降とされた。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る