第39話 地のペットたち
「街が、魔法渋谷の街が、跡形もなく、水と火と雷で地面がむき出しになっちゃった。こうなってくると私たちは何で争っていたのかしら?」
「得るものがなければ、争う理由もない。いいわ。望も半分に分けて共有しましょう。時代は、シェアよ。」
「おお! 我が心の友! イバラちゃん!」
「今までごめんなさい! そして、これからは、仲良くよろしく! 希ちゃん!」
各属性のペットを紹介している間に、希とイバラは友達になった。
「おいおい!? この展開でいいのか!?」
「いいんです。だってストーリーが機能しているのって、冒頭だけですもの。」
望と美杉は、兄弟で仲が良い。
「よし! 魔法渋谷の駅前を苺の果汁園にしてやる! 苺魔法! ストロベリー・フィールド!」
何もかも破壊された大地に苺の畑が現れる。
「やめい! それでも教師か!?」
「教師の名前が苺で何が悪い!?」
教師と生徒の、この教師に、この教え子ありである。
「元通りの魔法渋谷に戻すんだ!」
「ご安心を! もうやっています! 地の魔法使いですよ!」
現れたのは、地の魔法使いのミヤゲとチホである。
「やってます! 地のペットたちが、魔法渋谷の再開発!」
よ~く地面を見ると、地盤改良を行っている小さな小人たちがいた。
「あれは小人のドワーフさんたちです。建設工事が大好きです。」
「す、すごい! 街が元通りに戻って行く!?」
破壊された魔法渋谷の街並みが再建されていく。
「やってられない。面白くない。」
「肉体労働は嫌だ。」
闇の精霊ドヴェルグと邪悪なる小人ゴブリンは建設工事をサボっていた。
「高層ビルはどうやって建設するの?」
「ご安心ください。あちらをご覧ください。」
血の魔法使いたちは、高層ビルの魔法セルリアンタワーや魔法渋谷スクランブルスクエアの建設現場を指さす。
「ゲッ!? 巨人!?」
2体の巨人が高層ビルを建設していた。
「巨人のゴーレムとティターンです。力持ちですよ。」
砂の巨人ゴーレムと地の巨人ティターンがあっさりと高層ビルを立て直していた。
「そして最後は駅前に犬神のアヌビス様を置けば元通りです。完成しました。」
「ただの魔法ハチ公象では!?」
魔法ハチ公象。またの名をアヌビス神、若しくは砂漠の番犬スフィンクスである。
「ということで地の魔法使いのペットは地の精霊ノームに決めた。」
何はともあれ、魔法渋谷は自然災害から元通りに復元した。
つづく。
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