第37話 火のペットたち

「どうして戦わないの!? 獏!?」

「同じ犬同士、仲良くなってしまったのね。」

「ワンニャー。」

「ワンワン。」

 希とイバラのペットの獏とヘルハウンドは、仲良くじゃれあっている。

「そうか、公募でも獏の名前は、ワンニャーが一番多かったか。」

「良かったね。望お兄ちゃん。犬猫ちゃんの名前が決まって。」

「そうだな。平和が一番だ。」

 これで望と美杉も安心して眠ることができる。

「私の魔法が決定しました! その名も苺のスマホ。ストロベリーの魔法使いだ! 苺魔法! ストロベリー・ソード! ストロベリー・ジュース! どんなものだ? 私の魔法は? ワッハッハー!」 

「おいしい! 苺ジュース!」

 苺で魔法ができるのか? という疑問は置いておこう。

「水を火で蒸発させて、街を水没から救いましょう! 火の魔法使いにお任せあれ!」

 火の魔法使いセイカとカエンが現れて、火のペットたちを呼び出す。

「熱い!? なんだ!? 急に汗が出てきた!?」

 水没した水が炎で蒸発していく。

「誰かいる!? 火で水を蒸発させているのか!?」

「あれは天使ウリエルです。安全に街の水を無くしていきますよ。」

 現れたのは神の火を司る天使ウリエルだった。

「これで安心だ。」

 望たちは元の平穏な街に戻ると安堵した。

「ん? んん!? 誰かが街を焼いている!? 火事だ!? 消防車消防車!?」

「あれは悪魔ベリアルと魔人イフリートです。いうことを聞かないので、どうしようもないですね。」

「呑気なことを言うな!?」

 現れたのは地獄の炎を扱うベリアルと火の魔人イフリートだった。

「大丈夫です。ベリアルが破壊した後に火の鳥が現れます。」

「焼き鳥?」

「火の鳥です!」

 軽いショートギャグを挟む。

「ギャオー!」

 その時、全身が炎で包まれた火の鳥が現れた。

「あれが火の鳥フェニックスです!」

「おおー!? 街が、街が時間を戻したかのように元に戻って行く!? やったー! 元通りだ!」

 破壊と再生を司る火の鳥、それがフェニックスである。

「そして最後に現れるのが、火の神プロメテウス様です!」

「え?」

 空から火の神プロメテウスが落ちてくる。

「プロメテウス・ファイア・パンチ!」

 そのまま大地にパンチをして、再び炎で街を覆いつくす。

「じゃあね。」

 プロメテウスは、満足げに展開に去って行った。

「じゃあねじゃないよ!? これじゃあ、水没が大火災に変わっただけじゃないか!?」

 望は自由奔放な展開に逆ギレした。

「ということで火の魔法使いのペットは、火の精霊サラマンダーに決定しました。」

 火蜥蜴サラマンダーは家庭用のペットである。

 つづく。

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