第33話 新しい魔法を覚える
「女狐! あんたみたいな泥棒猫は私の奇跡魔法で退治してくれる! 奇跡魔法! マジカル・ミラクル!」
希は魔法を唱える。しかし何も起こらなかった。
「あれ? おかしいな?」
「ワッハッハー! 当然でしょ。あなたの魔法は奇跡。そこら辺の普通の魔法の使い方で奇跡が発動する訳ないじゃない。」
「そうだったのか!? 知らなかった。」
いつもイバラの方が希よりも1枚上手であった。
「俺の夢の魔法は、いつでも使えるから良かったぜ。美杉、おまえは?」
「私も天使様から天使魔法を借りているから気にしないでください。」
「う、羨ましい。」
望と美杉は、自分の魔法が奇跡魔法でなくて良かったと感じた。
「なに? 新しい強力な魔法を覚えたい? ふむふむ。なら、英語を勉強しなさい。だって英語は魔法の言葉なんだから。例えば、ゴット・エンジェル・デーモン・デビル・サンダー・ファイア・フリーザ・ウインド・ランド・ウォーター!!! 英語をたくさん組み合わせると極限魔法ができる。だから英語を勉強して、一つでも単語を覚えれば、あなたの魔法は強力なものになるでしょう。」
苺先生が、新しい魔法の覚え方を教えてくれた。
「新しい魔法か。よし! やってみよう! 水魔法! ツナミ!」
面白いもので津波は、ツナミのままでも通じる。
「私だって! ファイアよりも強い火魔法! フレーム!」
ただの火より、火炎の方が火力が強烈になる。
「充電完了! 降り注げ落雷! 新しい雷魔法! サンダーボルト!」
サンダーは雷。サンダーボルトは落雷を指す。
「こい! 大震災! 地魔法! グレート・アースシェイク!」
地の魔法使いたちの新しい魔法は、他の魔法使いの魔法よりも強力に思えた。
「全てを凍らせる! 絶対零度! 氷魔法! アブソルート・テンペラチャー!」
周囲全てを凍らせる、それが絶対零度。
「そうか!? ウインドって、そよ風みたいなものだったのか!? もっと強い魔法を覚えたい! 風魔法! ハリケーン!」
風の魔法使いは台風を魔法で作りだし、災害級の暴風を作り出す。
「なんなんだ!? こいつらは!? 次々と新しい魔法を覚えていく!? こうしてはいられない! 私も英語をネットを検索して、新しい悪夢魔法を覚えなければ!」
今時の魔法使いは、魔法の書やグリモアールで魔法を覚えるのではなく、ネットで英語を検索して新しい魔法を覚えるのだった。
「マジか!? この展開!? 本物の魔法使いがいたら怒って来るな。」
望は遠くの空を見上げて眺めるのだった。
つづく。
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