ルビー・レッドは電波に乗って

作者 いっさん小牧

33

11人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

異世界転移xyoutubeという異色の組み合わせ。よくぞやってくれたなという感じです。
こういう変わった組み合わせをいっさん小牧さんはよくされている印象ですが、どこからその発想がでてくるのかと驚かされます。
私はyoutubeはもっぱら見る専門なのですが、配信者になると色々考えて効果を狙ったりしているのがこの作品から分かりました。これは直接、有名配信者の方に取材をされたのでしょうか?それとも全部想像なのか。どちらにしても念密に作られています。
最後に、ルビー・レッドの意味を明かしてくれるので、読み飛ばさずにじっくり読んでみてください。こんなに大変な思いをして、配信者は日々頑張っているのだと分かります。

★★★ Excellent!!!

大人気の有名ユーチューバーが異世界転生! 
高校生にしてプロのユーチューバーの駿郎。彼は突然、放り出された異世界で魅力的な女性たちと出会い、その地でもユーチューバーとして観客を楽しませることに生きがいを見出していきます。

冒頭は思いっきり飛ばしたギャグで始まりますが、そこからは想像もつかないほどの後半のシリアスとのギャップが大きな見所のひとつです。
つらい過去を背負って生きること、戦争のむごたらしさ、悲惨さ、そういったものを、真っ向から逃げることなく、目をそらすことをゆるさない直球でつきつけてきます。
戦場を描いたシーンは圧巻です。まさかあのキャラに泣かされることになるなんて……。

三人のヒロインたちが、みんなとても魅力的です。
強く勇ましくもセクシーな騎士レカート、穏やかな性格の長身巨乳魔法使いリオ、天使のように愛くるしい少女チェリー。
個人的には優しいリオさんが第一印象で好みでしたが、それぞれ違った魅力があり、ひとりは選び難いです。とくに活躍の多いレカートは、様々な顔を見せてくれます。直情的で純粋で、かわいらしいところもありますが、なにより武官らしい芯のある凛々しさに惚れ惚れしてしまいます。
ヒロインたちはたくましく生きる背後に悲しい過去を背負っており、そんな彼女たちの心に触れてしまったら、主人公ならずともエールを送らざるを得ません。

恋愛要素は強くありませんが、ほんのりと漂う想いに、ほほえましくてしあわせな気持ちになりました。

そして後半にもうひとり、すごく魅力的な女性が登場します。
ネタバレになるためにここでは触れられませんが、意外性のあるその内面のかわいらしさ、子どものような好奇心旺盛さ、純粋さに惚れました。
その側には彼女を一途に慕う無骨な人物がいるのですが、彼のことも好きです。その気持ちがわかります。

個性の豊かさは主人公の陣営だけではありません。… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

主人公の駿郎は世界的に有名な人気ユーチューバー。ところがある日異世界に転移してしまいます。
とはいえ、そこはユーチューバー。得意の企画力を生かし、癒し系巨乳魔法使いのリオ、露出度の高い女騎士レカート、孤児の美少女チェリーらとともに動画を作り、魔法を使って配信することに。
娯楽のない世界で大人気となる駿郎の動画でしたが、あるとき謎の配信者が登場したことにより、物語はこの世界の核心に迫りつつ、一気に動き出します。

いきなり絶頂だの全裸だのかなり全速力な出発ですが、読み進めるにつれ、その世界とそこに生きている人々、そしてキャラクターの芯が鮮やかに浮かび上がってきます。
特に魅力的なのがレカートです。強くて弱い、かっこよくてかわいい。駿郎との交流の中で様々な表情を見せながら徐々に変化していく様が、とてもリアルでした。物語を通して、主人公とともに一番変化・成長したキャラクターではないでしょうか。
敵であるはずの魔王も絶対悪ではなく、とても魅力的です。この作品はこうした個性的なキャラクターたちを通して「人間」の弱さや真実を描き出しています。表現における厳しくもあたたかい目線は、作者のそれなのでしょう。
読んでいると、様々な感情が穏やかにあふれ出します。優しくもあり、同時にとても力強い物語です。

★★★ Excellent!!!

動画投稿者、所謂youtuberを主軸に追い出した、異世界転移ファンタジー。
最初はある意味普通のyoutuberのような動画配信を行い、人々との交流と絆を深め……そして終盤では、二国間の戦争を止める程にまでなった。
単純な力でなく、主に動画配信者としての影響力と、人との繋がりによって、最後の結末に至った。
今までの異世界物と違い、動画を介して「人」を中心にしたものとして良い作品だ。

★★★ Excellent!!!

異世界にユーチューバーが転移する。プロローグは滑稽極まりない動画撮影風景。読むときっと思うでしょう、なんじゃこりゃ、と。

しかし転移したユーチューバーはバカばかりやっているわけではありません。広告収入の交渉や動画再生ユーザ層の分析を行う姿は優秀な個人事業主であり、周囲の不幸に一瞬言葉を失う心のひだもあります。

それでも視聴者のために楽しい動画を上げ続けます。

作中で主人公は言います。「ユーチューバーとしての誇りがある」と。それが何かは、作中でお確かめください。

ユーチューバーの誇りを描くのは、作者が同様に自分の作品を皆に共有してもらうワナビとしての誇りがあるからでしょう。ひるがえって、読む自分はどうか。この「カクヨム」に参加することの姿勢を問われる気がします。

そしてタグには「戦争」とあります。私たちの常識が通じない世界で、戦争の中にユーチューバーはいかにあるべきか。見えない答えを探す主人公のもがきがとても熱いです。

と書きましたが、頭空っぽにして活劇としてみてもとても面白いです。映える動画に不可欠な美少女も出てきますし。